溶接用語集
溶接にはさまざまな用語があります。以下は基本的な用語です。溶接方法によって、さらに多くの専門用語があります。
| 用語 | 解説 |
|---|---|
| あ行 | |
| ウィービング | アーク溶接などで、溶接線に対してトーチをほぼ直角に動かしながら進む溶接法。 少ないパスで多くの溶着金属を盛ることができる |
| か行 | |
| 開先 | 必要な溶け込みを得るために、溶接する前に溶接継手に設けられる溝状のくぼみ
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| さ行 | |
| シールドガス | 溶接中の溶融金属の酸化、窒化などを防ぐ目的で、大気を遮断するために使用されるガス
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| ジュール熱 | 導体を電流が流れるとき、電気抵抗によって導体内に発生する熱 |
| すみ肉 | ほぼ直交する2つの面を溶接する溶接継手で、三角形状の断面を持つ |
| スパッタ | 溶接中に飛散するスラグや金属粒のことで、一般に溶接品質の妨げになる |
| スラグ | 溶接部に発生する非金属物質のこと。溶接の際に溶けたスラグが溶接金属中に残ったものは、「スラグ巻き込み」といい、溶接欠陥の一種になる
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| た行 | |
| 突合せ溶接 | 溶接継手が母材とほぼ同一面になるような溶接技法 |
| テーラードブランク(TB) | 強度や防食性を得るため、複数の異なる鋼板の組み合わせを溶接によって仕立てたプレス用素材
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| 電離電圧 | 原子の1番外側の軌道電子が電離(原子の外に出されてしまう)状態になる電圧のこと |
| 溶け込み | 溶接で溶けた母材の最頂点と母材表面の距離 |
| な行 | |
| 熱影響部(HAZ) | 溶接時の入熱により、溶融していないが微細構造や特性が変化した母材の領域 | は行 |
| パス | 溶接継手に沿って行う1回の溶接操作 |
| ビード | 接合面にできた盛り上がり部分 |
| ビームスキャン溶接 | レーザー光を偏光ミラーで溶接点に当て、溶接する方法。母材は固定で母材上をビームが走査(スキャン)することからビームスキャン溶接といわれる。 |
| ヒューム | 個体が気化した後、急冷却による凝縮で生成された個体粒子 |
| フラックス | 母材の表面を洗浄、活性化し、溶加材の流動性を向上させるための材料 |
| プラズマ(レーザー誘起プルーム) | 電離によって生じた荷電粒子を含む気体のこと |
| 母材 | 溶加材を使用する場合、溶接される材料。溶加材を使用しない場合は「溶接材」。 |
| ま行 | |
| マニピュレータ | 多関節構造とサーボモータによって動作するロボット本体。関節の数(軸数)によって可動範囲が変わる。先端のハンドピースを交換することで、さまざまな作業に対応することができる。 |
| や行 | |
| 溶加材 | 母材を接合するために使用するワイヤや溶接棒など |
| 溶接欠陥 | 溶接金属の巻き込みや不適切な溶接技術または溶接パラメータなどが原因で正常に溶接されない欠陥
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| 溶接線 | ビード、溶接部を1つの線として表すときの線 これから溶接する線、溶接中の線、溶接が終わった線
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| 溶接継手 | 母材の接合面 |
| 溶融池 | 溶接の際にアーク熱などによって、電極や母材が溶融してできた溶融金属のたまりのこと |



