金と銀、あなたはどちらが好きですか?もちろん、価値なら金ですよね。では、金色と銀色ではどうでしょう?これは好みが分かれるところですよね。金色と銀色を白黒カメラでみるとほとんど同じグレーに見えてしまいます。
白色照明で見た場合
カラーカメラ画像
グレーカメラ画像
金色と銀色に大きなコントラストが得られる照明の色はどれでしょう?
A.赤色
B.青色
C.黄色
D.緑色
正解は、B. 青色
今回の問題は、金属色の波長に対する反射率の内容でした。金色と銀色を比較した場合、銀色が可視光の広い波長帯域で高い反射率を持っているのに対して、金色は500nm以下の青色に対しての反射率が低くなっています。したがって、金色に青色照明を照射すると反射率が低いため黒く写ります。写真の青色照明では、金色が黒く写り、金色と銀色のコントラストも赤色照明より大きくなっていることがわかります。金色と銀色の判別には、青色照明ですね!
画像センサを使って、直径10mmほどの円柱ワークの外径寸法を検査します
以下のレンズのうち、一般的に理想的と考えられる順序で正しいものはどれでしょうか?
優先順位の高い方から
A.② → ① → ③
B.③ → ② → ①
C.① → ② → ③
正解は、B. ③ → ② → ①
画像センサで寸法検査を行なう場合、レンズの特性が検査精度に影響します。今回の問題では、テレセントリックレンズと焦点距離が長いものと短いものでの比較でした。レンズの焦点距離=画角(視野の広がり角度)が広いと対象物がカメラに対して近づいたり遠ざかったりした場合に、その対象物が映る大きさも大きく変化することは想像できると思います。つまり、寸法を検査したい場合は、レンズの画角が0°に近いほど、寸法変化が小さいと言えます。したがって、25mmレンズと6mmレンズでは、画角の狭い25mmレンズの方が適していることになります。さらに、テレセントリックレンズは、画角がほぼ0°になるように光学設計されたレンズで寸法検査には非常に適したレンズです。
以上より、答えは B.の ③テレセントリックレンズ→②25mmレンズ→①6mmレンズ となります。
画像センサは、カメラを使って生産ライン上の製品の良、不良を高速に自動判定する機器で、近年その需要が急速に高まっています。なかでも傷、汚れ、バリ、欠けなどの外観検査が最も多く、画像センサは品質向上、歩留まりアップに欠かせないものとなっています。
画像センサで異物検査を行なった場合、最小どれくらいの異物が検出できるでしょうか?下の選択肢のうち最も現実的なものを選んでください。
【条件】
検査エリア 50mm×50mm、使用カメラ 1000×1000画素の100万画素カメラCCD上での最小検出サイズ=2画素角
A.0.01mm角
B.0.1mm角
C.1mm角
樹脂ワーク上の黒点
黒点部拡大
正解は、B. 0.1mm角
下式のようにカメラの撮像視野をカメラのCCDの1辺の画素数で割ります。そして、CCD上で検出可能な最小画素数をかけると最小検出体の大きさになります。
最小検出サイズ=(撮像視野)÷(CCDの1辺の画素数)×(CCD上の最小検出画素数)
今回の問題では
撮像視野=50mm角
CCDの1辺=1000画素
CCD上の最小検出画素数=2画素角
よって、
最小検出サイズ=
50mm÷1000画素×2画素数
=0.1mm角となります。
なお、最小検出サイズは、撮像視野や使用するCCDによって変わり、さらに対象物の表面状態や照明条件、画像センサで使用する検査モードの条件などによっても変わります。実際には、上記計算だけで決定できるものではありませんが、計算から概算の能力を導くには有効な方法です。
カメラで撮像した生の画像を画像処理検査に適した画像に加工するために、様々な「前処理フィルタ」があります。「前処理フィルタ」を効果的に使うことで、画像センサによる検査が劇的に安定します。
下の2枚の画像について、それぞれのコメントにある効果を得るにはどのフィルタが最適でしょうか?解答選択肢、A ~ C から正しい組合わせを選んでください。
①黒点をより強調したい
②縦筋を消したい
A.①=膨張フィルタ、②=収縮フィルタ
B.①=収縮フィルタ、②=エッジ抽出Yフィルタ
C.①=収縮フィルタ、②=エッジ抽出Xフィルタ
正解は、B. ①=収縮フィルタ、②=エッジ抽出Yフィルタ
①は、収縮フィルタで黒点が強調されます。一般に収縮フィルタは明るい側が収縮するので、黒点が膨張した画像が得られます。
②は、エッジ抽出Yフィルタで縦筋を消すことができます。画面の水平方向のエッジを強調するため、垂直方向の縦筋が弱くなります。