画像センサには照明が必要になります。照明の種類や設置方法により、検査対象の見え方(コントラスト)が大きく変わります。
(1)~(3)のようなワークの場合、下に示した画像センサ用の代表的な照明3種類
(ア)~(ウ)のうち、どの照明を使うのが適当でしょうか?
正しい組み合わせを選択し、A ~ C
の中から選んでください。
ワークの種類
照明の種類
A.(1)・(ア)、(2)・(ウ)、(3)・(イ)
B.(1)・(ウ)、(2)・(イ)、(3)・(ア)
C.(1)・(イ)、(2)・(ウ)、(3)・(ア)
正解は、C. (1)・(イ)、(2)・(ウ)、(3)・(ア)
画像センサを使用して連続的に流れているシート上の異物を検査します。
検出したい異物をテストにて確認したところ、撮像視野100mmにて検出可能でした。また、この視野を検査するのに要した画像処理時間は25msでした。以下の選択肢のうち、この条件で漏れなく検出できる最大ライン速度を選んでください。
A.60m/分
B.120m/分
C.240m/分
正解は、C. 240m/分
下式のように撮像視野を処理時間で割ることで、対応可能な最大ライン速度が求められます。
最大ライン速度 = 撮像視野 ÷ 画像処理時間
今回の問題では
撮像視野=100mm角
画像処理時間=25ms=0.025秒
よって、
最大ライン速度=100mm÷0.025秒
=400mm/秒
=240m/秒
となります。
なお、画像処理時間は、画像センサの能力と設定内容で大きく変わります。上記の式から逆算することで、実際の最大ライン速度に対応するにはどのくらいの画像処理時間に収める必要があるかを、あらかじめ求めることも有効な方法となります。
「被写界深度」とは、対象の撮像画像がどれくらいの範囲でピントが合っているかを示す特性です。例えば、あるレンズをある条件で使用したとき、レンズから対象までの距離が100mm ~105mmの範囲でピントが合うとすると被写界深度は5mmということになります。被写界深度が深いほど、ピントがぼけにくいということになります。
この被写界深度をできるだけ深くするための条件として正しい組み合わせを、下の選択肢、A ~ D の中から選んでください。
A.「焦点距離の長い(望遠)レンズを選ぶ」+「できるだけ絞りをしぼる」
B.「焦点距離の長い(望遠)レンズを選ぶ」+「できるだけ絞りを開く」
C.「焦点距離の短い(広角)レンズを選ぶ」+「できるだけ絞りをしぼる」
D.「焦点距離の短い(広角)レンズを選ぶ」+「できるだけ絞りを開く」
正解は、C. 「焦点距離の短い(広角)レンズを選ぶ」+「できるだけ絞りをしぼる」
焦点距離が短い(広角)レンズほど、ピントが合いやすく、絞りを絞るほどピントが合いやすくなります。これは、広角レンズほど対象の移動に対してCCD上に入射する光線の角度が浅いため結像する範囲が長くなり、絞りを絞るほどレンズ周囲から入射する光が減るのでCCD上で結像する点が絞られるためです。
一般的に、高速移動体を撮像する場合は移動対象物の輪郭がぼやけないようにするため、シャッタースピードを高速に設定します。一方、暗い夜空の星を撮像するような場合は、十分な露光時間が必要なため、シャッタースピードを遅く設定します。
画像処理センサの視野を100mm(CCD サイズ:500 画素×500 画素※)で使用している状態で、対象物が1000mm/ 秒のスピードで通過します。ピントのボケを抑え、できるだけ明るく撮像した場合には、どのシャッタースピードが理想的でしょうか?
※計算しやすいよう500画素×500画素としていますが、実際にはこのサイズのCCDは存在しません。
A.1/500秒
B.1/1000秒
C.1/10000秒
D.1/50000秒
正解は、C. 1/10000秒
今回の知識は、デジタル一眼レフカメラのマニュアル操作でも使えますので、ぜひ覚えましょう。
ピンボケを抑えるためにはシャッタースピードが速いほどよいのですが、速くしすぎると十分な露光が得られず暗くなってしまいます。ピンボケが気にならない程度にきれいに撮像するには、対象物が1画素の1/2を移動する時間以内を目安としてシャッタースピードを設定します。これは1画素の距離を動く半分の時間で露光を完了するためです。
(1)まず1画素の1/2のサイズを求めます。視野は100mm(CCDサイズ:500画素×500画素)
100mm ÷ 500画素 ÷ 2 = 0.1mm
(2)次に0.1mmを移動する時間を求めます。
0.1mm ÷ 1000mm/秒 = 0.0001秒 = 1/10000秒
よって答えは C. 1/10000秒 となります