生産タクト・装置タクト向上がもたらす収益改善

工場の自動化(FA:ファクトリーオートメーション)を語るうえで欠かせない画像センサ・画像処理技術ですが、こちらでは収益改善という観点から導入メリットを考察したいと思います。得られる効果を知ることで、より最適なシステムが導入でき、設備投資へのリスクも抑えることができます。まず生産タクト・装置タクト向上がもたらす収益改善というテーマから画像処理システムの優位性について解説します。

画像処理システム導入で生産効率を高め、収益を増やす

画像処理を導入して利益を増やす手法とは

生産利益の拡大を考えた場合、一般的に「生産数を増やす」もしくは「生産コストを削減する」という2通りの方法を検討します。こちらでは「生産数を増やす」ことに注目し、収益改善を実現するためにすべきことをご説明します。

現在の生産ラインのまま生産数を増やすことで利益を拡大

スループット(=生産効率)を上げることがカギを握っています

生産量を増やすためには、生産ラインもしくは工場全体の生産効率を高める必要がありますが、そこで重要になるのがスループットという考え方です。スループットとは単位時間あたりに処理できる作業量(処理スピード)を指し、ものづくりの現場では単位時間あたりの生産量と言い換えることができます。

そこで近年はスループットの多い(=生産量の多い)設備やラインが求められています。リードタイム(材料や部品が供給されてから完成するまでの時間や期間)は短く、スループットが多い生産システムが現在のトレンドになっているのです。

スループットのイメージ図

スループットが上がれば設備やラインの生産能力を最大化できるので、例えば2ラインで生産していた製品を1ラインに集約でき、設備投資や人件費の削減にも効果を発揮します。そういった観点からも経営効率の最適化に有効な手法です。

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スループットの改善に効果を発揮する画像処理システム

スループットを改善するためには各工程の稼働率を高めるため、接続ロスを削減する必要があります。近年、生産効率に優れた設備が数多く登場していますが、パフォーマンスを発揮できなければ生産量は増えません。例えば最新鋭の生産ラインを導入していても、目視での検査に時間がかかって生産スピードを制限していては意味がないということです。このような生産ラインにおけるボトルネックを特定し、改善することがスループットの向上につながります。

生産ラインにおけるボトルネック特定のイメージ図

検査工程でのボトルネックをなくすには

近年、ものづくりの現場では製品品質や安全性の重要度が年々増し、検査工程がボトルネックになる傾向が高まっています。まだまだ目視による検査項目も多く、複雑な検査ではオフラインで検査せざるを得ないこともあるでしょう。そんな目視による確認・判別を画像処理システムに任せることでボトルネックを解消することが可能です。スループットの向上には高精度・高速な検査が必要不可欠となっており、その一つの改善策として画像処理システムに注目が集まっているのです。

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このようなことに心当たりはありませんか?

もし一つでも当てはまるものがあれば、改善策を講じることで収益の改善が見込める可能性があります。

  • ・品質維持のために設備・ラインの生産スピードを下げている
  • ・画像処理や検査スピードに合わせて生産システムを設計している
  • ・生産性を高めるために複数の設備・ラインで生産を行っている
  • ・生産スピードに対応するために検査ステーションのみ2ラインに分岐している
  • ・生産性を維持するため、検査項目ごとに単独の検査装置を設置している

最近では画像センサの処理速度も向上し、画像処理技術も向上したことから超高速での自動検査が可能になりました。画像処理システム「XG-Xシリーズ」では、業界最多14コアを搭載することで、従来より大幅に画像処理性能を向上しています。これまで目視で確認していた検査工程や複数の検査機器を用いていた工程も1台に置き換えることが可能です。またオフラインで検査していた項目をオンラインでの検査にすることで生産を止めることなく、生産ラインの実質稼働時間を長くすることもできます。

このように画像処理技術を活用することで効率化を図ることができ、スループットが向上し、収益改善にも大きな効果を発揮してくれます。

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スループットの改善例

スループット向上による収益改善を簡易的に試算できる計算式をご紹介します。ぜひ、自社の生産に照らし合わせて、ご確認いただければ幸いです。また、数字を打ち込むだけで簡単に計算ができる収益改善算出シートもご用意していますので、ぜひご活用ください。

収益改善試算

( 設備生産能力 - 現状検査能力 ) × 製品単価 × 稼働時間 = 収益改善効果

(【①】個/分)-【②】個/分) × 60分 × 【③】円 × 【④】時間 × 【⑤】日 = 【  】円/月のスループット向上

収益改善算出シート

① 設備生産能力 : 個/分
② 現状検査能力 : 個/分
③ 製品単価 :
④ 稼働時間(時間) : 時間
⑤ 稼働時間(日数) :

0円/月のスループット向上!

数値を入力してください

試算例

生産能力150個/分の設備・ラインを有しているが、現状を検査能力は100個/分、製品単価は10円で1日の稼働時間8時間、月間稼働日数20日とした場合の収益改善効果。

(150個/分 - 100個/分) × 60分 × 10円 × 8時間 × 20日= 480万円/月

月間製造個数増加量480,000個
月間480万円のスループットの向上!

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まとめ

ここまで、生産効率を上げることで収益を改善する方法について紹介してきました。
まとめると以下の通りです。

  • 1.収益改善には「生産数を増やす」「生産コストを削減する」の2通りがある

  • 2.生産効率(スループット)の改善には、生産ラインのボトルネックの特定が不可欠

  • 3.ボトルネックが検査工程にある場合は、画像処理システムの導入が効果的

本ページに記載した内容の他、収益改善のポイントをまとめた資料「先進の画像処理テクノロジーがもたらす収益改善6つのKEY」は下記よりダウンロードしていただけます。最新の画像処理システムのカタログとあわせてご覧ください。

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