目的に合ったレンズ・照明の選定

画像センサは、カメラ・照明・レンズ・コントローラなど、多くの機器から構成されるセンサです。導入にあたっては、それぞれの機器の選定に始まり、設置場所や入出力の仕様確認、検出判断など、さまざまな工程が必要です。ここでは、機器選定の中から、目的に合ったレンズ・照明を選定するためのポイントを紹介します。

画像センサ導入までに確認する主な項目

1検査に必要な機器の選定

検査仕様に合致した機器を選定します。

カメラ/コントローラ/照明/
レンズ/モニタ

2検出判断

実ワークと実機で実験を行ないます。

OK、NG品の限度見本/検査タクト/
Must、Wantの確認/品種数

3設置方法、設置場所の選定

具体的な設置場所を検討します。

移動中/停止中/
周囲環境/外乱光/振動など

4自動化のための制御方法

画像センサへの入出力制御を確認します。

撮像タイミング/判定結果出力/
PLC制御/データ出力

5現場テスト

必要に応じて実ラインで検証します。

セッティング微調整/統計解析/
入出力制御確認

6操作方法レクチャー

基本的な設定方法を説明します。

交差設定/感度調整/検査設定変更/
品種登録

現在画像処理で主に使われるのがLED照明です。検査内容に合わせて最適な照明を選定するには3工程あります。

  • (1)照明を当てる方向を決める
  • (2)照明タイプ・形状を決める
  • (3)照明の色(波長)を決める

代表的な照明の形状(LED 照明の場合)

画像センサ導入までに確認する主な項目

【照明選定1】照明を当てる方向を決める(正反射/拡散反射/透過)

光の基本

入射光(茶矢印)がワーク表面にぶつかると、大きく分けて4種類の方向に分かれます。

  • (1)同じ角度に反射する正反射光
  • (2)表面で散らばる拡散反射光
  • (3)ワークを真っ直ぐすり抜ける透過光
  • (4)表面で散らばるように透過する拡散透過光

照明を当てる方向を決める(正反射/拡散反射/透過)

射光を100とした場合、正反射する光の割合を正反射率、それ以外の反射光の割合を拡散反射率、正反射と拡散反射の合計を全反射率といいます。

画像処理で使われる照明の方向は大きく3タイプに分けられます。

  • ① 正反射タイプ
    対象物に正反射した光をレンズが受け取る方式、ガラス基板表面など反射しやすい特性のワークで有効

  • ② 拡散反射タイプ
    対象物に正反射した光を逃がして全体的に均一な光をレンズが受け取る方式、透明テープ越しで検査をするなど反射しやすいワークを無視したいときに有効

  • ③ 透過タイプ
    照明を対象物の背景から照射し透過光でシルエットを検出する方式、不織布など光が通りやすいワークで有効

画像処理で使われる照明の方向は大きく3タイプに分けられます

【照明選定2】照明のタイプ・形状を決める

照射方向を決めた後は、検出内容と背景と周囲環境から照明の種類(型式)を選定します。 それぞれの照射方向の照明候補から以下のように選定します。

各照射方向の代表的な照射タイプ
正反射 同軸落照射 リング照明 バー照明
拡散反射 ローアングル照明 リング照明 バー照明
透過 面照明 リング照明 -

(1)正反射の検出例

正反射の検出例

(2)透過の検出例

透過の検出例

【照明選定3】照明の色・波長を決める

最後にワークと背景に合わせて照明の色を決めます。カラーカメラを使う場合、白色を選択するのが一般的ですが、白黒カメラを使うときは以下の知識がより重要となります。

照明の色・波長を決める

照明選定のまとめ

ここまで照明の選定方法に関して、詳しく解説してきました。まとめると以下の通りです。
この手順に沿って用途に合ったものを絞り込むことで、効率よく選定することができます。

  • 1.照明を当てる方向を決める
    ワークの素材・形状、検査用途から判断し、正反射・拡散反射・透過の3種類から選択します。

  • 2.照明の形状/大きさを決める
    1.で正反射を選択した場合は、同軸落射照明・リング照明・バー照明から選択。
    拡散反射を選択したばあは、ローアングル照明・リング照明・バー照明から選択。
    透過を選択した場合は、面照明・リング照明から選択します。

  • 3.照明の色(波長)を決める
    カラーカメラ使用時は、一般的に白色。白黒カメラ使用時は、目的によって補色や波長から検討します。

  • 多機能・高機能な照明ユニットの活用
    単機能照明のほかにも、多機能・高機能な照明ユニットを活用することで、ハレーション除去やワーク表面の凹凸抽出、同時に3D検査を行うなど、高度な検査要求への対応や複数の検査項目への効率的な対応が可能になります。

本ページに記載した内容の他、画像センサ選びのポイントをまとめた資料「はじめての画像センサ”超”入門」は下記よりダウンロードしていただけます。
各種照明・レンズのラインナップカタログとあわせてご覧ください。

【レンズ選定1】焦点距離と視野の求め方

レンズの仕様の一つとして「焦点距離」があります。FA用のレンズには代表的なものとして、8mm/16mm/25mm/50mmといった仕様のレンズがあります。撮像したい対象物に必要な視野と焦点距離から、焦点の合う位置=WD(ワークディスタンス)を求めることができます。

焦点距離と視野の求め方

WDと視野の大きさは、レンズの焦点距離とCCDのサイズで決まり接写リングが不要な最至近距離以上では、WDの概算の値は次の比例式で表されます。

WD:視野角=焦点距離:CCD サイズ

焦点距離と視野の求め方

【レンズ選定2】被写界深度(ピントの合う深さ範囲)を深くする方法

  • ①焦点距離が短いレンズほど、深度の範囲が深くなります。
  • ②対象物までの距離が遠くなるほど、深度の範囲が深くなります。
    →接写リングやマクロレンズを使用した場合に被写界深度が浅くなるので注意が必要です。
  • ③ 絞りを絞っている状態ほど深度の範囲が深くなります。
    →同じレンズでも絞りを絞って、明るい照明で照らした方が、ピントが合いやすくなります。

下図のような斜面に高さを表示したテープを貼った対象を撮像したとき、絞りを開放した場合と絞った場合を比較しています。

被写界深度(ピントの合う高さ範囲)を深くする方法

【レンズ選定3】レンズ性能によるコントラスト差について

下の画像は弊社製高解像度レンズ「CA-LH16」と標準レンズ「CV-L16」で同じ画像を映したときのものです。画像の違いはレンズの材質と構造の差です。用途によって高解像度レンズを選定すると、よりコントラストの高い画像を得ることができます。

使用レンズCA-LH16/CV-L16

検査対象物コピー用紙

視野60mm/汚れサイズ:約0.3mm

レンズ性能によるコントラスト差について

レンズ選定のまとめ

ここまでレンズの選定方法に関して、詳しく解説してきました。まとめると以下の通りです。
この順序で求めるスペックを絞り込んでいきます。

  • 1.撮像サイズと設置可能距離から焦点距離を決める
    焦点の合う位置(WD)と視野の大きさは、レンズの焦点距離とCCDのサイズで決まります。

  • 2.ワークの形状から必要な被写界深度を考える
    ワークの斜面など高低差がある場合、深い被写界深度が必要です。レンズの焦点距離が短いほど、対象物までの距離が遠くなるほど、レンズの絞りを絞っている状態であるほど被写界深度は深くなります。

  • 3.検査精度から高解像度レンズか標準レンズかを選択する
    コントラストの高い画像を得るには、高解像度レンズを選択する必要があります。

本ページに記載した内容の他、画像センサ選びのポイントをまとめた資料「はじめての画像センサ”超”入門」は下記よりダウンロードしていただけます。
各種照明・レンズのラインナップカタログと併せてご覧ください。

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