バーコードプリンタとバーコードラベルISO/IEC 15416(バーコード印字検証)
『バーコード印字検証』とは、「CODE39」、「CODE128」、「EAN」といったバーコードの印字品質をチェックすることです。バーコードは、FA、流通、食品、卸、医療品など様々な分野で使用されています。
- ISO/IEC 15416 検証の方法
- ISO/IEC 15416 検証の項目と意味
- KEYENCE商品におけるバーコード印字検証機能の出力について
- ISO/IEC 15416 : 2025 での主な変更点
- ISO/IEC 15416 : 2025 でグレードの算出方法が変わった評価項目一覧
- よくある質問(FAQ)
ISO/IEC 15416 検証の方法
バーコードでは、上下10%を除く、中80%の領域において、8%おきに10スキャン分の検証データを取得します。
各スキャンのグレード判定をします。グレード範囲は、A、B、C、D、Fです。
各スキャンのグレードは下表に従い、数値化されます。
| グレード | 数値 |
|---|---|
|
A
|
4.0
|
|
B
|
3.0
|
|
C
|
2.0
|
|
D
|
1.0
|
|
E
|
0.0
|
10回のスキャンデータのグレードの平均値を算出し、その平均値をさらに総合判定グレード表に従ってグレード分けします。
左表の例では、平均値が 2.9 になります。
計算された平均値をもとに、下表に従って総合グレードを決めます。
例では平均値が 2.9 のため、 グレードは「B」になります。
| 平均値 | ISO/IEC 15416 総合グレード |
|---|---|
|
4.0 ~ 3.5
|
A
|
|
3.4 ~ 2.5
|
B
|
|
2.4 ~ 1.5
|
C
|
|
1.4 ~ 0.5
|
D
|
|
0.4 ~ 0.0
|
F
|
ISO/IEC 15416 検証の項目と意味
DEC(Decode):デコード成否
デコードをしたとき、読み取りできるかどうかを判定します。この項目のグレードが低い場合、バーコードとして認識できていないこととなります。
EDGE(EdgeDetermination):Edge数
読み取ったバーコードのエッジ数(白黒の切り換わりポイント)が、想定されるエッジ数と等しいかを判定します。
擦れなどにより白線が入るとグレードが低くなります。
A:正しい B:擦れ
SC(Symbol Contrast):シンボルコントラスト
コード領域の最大輝度値(Rmax)と最小輝度値(Rmin)の差を評価します。
全体的にコントラストが取れていないと、グレードが低くなります。
MINR(Minimum Reflectance):最小反射率
スキャン波形中の最小反射率。最小輝度値(Rmin)が最大輝度値(Rmax)の50%以下かどうかを評価します。
全体的にバーの印字が薄いと、グレードが低くなります。
MINE(Minimum Edge Contrast):最小エッジコントラスト
スペース(クワイエットゾーンを含む)と隣り合ったバーの反射率の差の最小値が15%以下かどうかを評価します。
一部のバーが細かったり、背景の一部が汚れているとグレードが低くなります。
MOD(Modulation):モジュレーション
最小エッジコントラストとシンボルコントラストの比を評価します。一部のバーが細かったり、背景の一部が汚れているとグレードが低くなります。
A:一部のバーが細い B:汚れあり
QZ(Quiet Zone):最小クワイエットゾーン
クワイエットゾーン幅が規格を満たしているか評価します。
A:クワイエットゾーン
DCD(Decodability):復号容易度
コード種ごとに決まったデコード余裕度。理想的な線幅パターンと、実際の線幅パターンの誤差の大きさを評価します。
バーやスペースに太り、細りがあるとグレードが低くなります。
A:正しい B:バーが不揃い
DEF(Defects):欠陥
エレメント内の色ムラを評価します。
バーやスペースに欠けや汚れがあると、グレードが低くなります。
KEYENCE 商品におけるバーコード印字検証機能の出力について
1. 総合判定のみ…読み取りデータ/ 総合判定
〈例〉123456789:B
2. 総合判定 + 詳細判定
〈例〉ABC12345:B/A/A/B/A/A/A/A/A/A
検証結果の付加順序
各検証の評価項目の結果は以下の順序で並びます。
| 規格名 | 評価項目名(英) | 評価項目名(日) | 略称 |
|---|---|---|---|
|
ISO/IEC 15416
|
Overall
|
総合判定
|
ALL
|
|
Decode
|
デコード成否
|
DEC
|
|
|
EdgeDetermination
|
エッジ数
|
EDGE
|
|
|
Symbol Contrast
|
シンボルコントラスト
|
SC
|
|
|
Minimum Reflectance
|
最小反射率
|
MINR
|
|
|
Minimum Edge Contras
|
最小エッジコントラスト
|
MINE
|
|
|
Modulation
|
モジュレーション
|
MOD
|
|
|
Quiet Zone
|
最小クワイエットゾーン
|
QZ
|
|
|
Decodability
|
復号容易度
|
DCD
|
|
|
Defects
|
欠陥
|
DEF
|
ISO/IEC 15416 : 2025 での主な変更点
2025 年に ISO/IEC 15416 が改訂されました。主に以下の点が変更になっています。
連続グレードの導入
2000版は整数値のグレードでしたが、2025版では小数第1位まで表現するグレードになります。これにより、各詳細項目の検証結果をより細かく管理できるようになりました。
| 数字グレード(2000版) | 数字グレード(2025版) | 英字グレード |
|---|---|---|
|
4
|
3.5 ~ 4.0
|
A
|
|
3
|
2.5 ~ 3.4
|
B
|
|
2
|
1.5 ~ 2.4
|
C
|
|
1
|
0.5 ~ 1.4
|
D
|
|
0
|
0.4以下
|
F
|
Symbol Contrast Grading
2値化しきい値計算方法の変更
セルが白か黒かを判定するしきい値の求め方が変更になります。本変更により、このしきい値を計算に用いているDCDの検証結果が変わります。
2000版
シンボル内の最大輝度値、最小輝度値の中間輝度値をしきい値とします。
A:最小輝度値
B:しきい値
C:最大輝度値
2025版
シンボル内の黒セル、白セルの輝度値分散の合計が最小となる輝度値をしきい値とします。
A: 黒セル(暗セル) 輝度値平均
B: しきい値
C: 白セル(明セル) 輝度値平均
SC(Symbol Contrast)の計算方法の変更
SCを計算する際の、Rmax、Rminの定義が変更になります。変更後はSCの値は小さくなりますが、ノイズの影響を受けにくくなります。
2000版
SC = Rmax -Rmin
Rmax:コード領域の最大輝度値
Rmin:コード領域の最小輝度値
A:最小輝度値 B:最大輝度値
2025版
SC = Rmax -Rmin
Rmax:コード領域の最大輝度値の上位3%平均
Rmin:コード領域の最小輝度値の下位3%平均
A:最小輝度値 B:最大輝度値
ISO/IEC 15416 : 2025 でグレードの算出方法が変わった評価項目一覧
SC(Symbol Contrast)
| Grade | 2000版 | 2025版 |
|---|---|---|
|
A
|
0.70 ~
|
0.625 ~
|
|
B
|
0.55 ~ 0.70
|
0.475 ~ 0.625
|
|
C
|
0.40 ~ 0.55
|
0.300 ~ 0.475
|
|
D
|
0.20 ~ 0.40
|
0.175 ~ 0.300
|
|
F
|
~ 0.20
|
~ 0.175
|
Symbol Contrast Grading
MOD(Modulation)
| Grade | 2000版 | 2025版 |
|---|---|---|
|
A
|
0.70 ~
|
0.65 ~
|
|
B
|
0.60 ~ 0.70
|
0.55 ~ 0.65
|
|
C
|
0.50 ~ 0.60
|
0.45 ~ 0.55
|
|
D
|
0.40 ~ 0.50
|
0.35 ~ 0.45
|
|
F
|
~ 0.40
|
~ 0.35
|
Modulation Grading
DEF(Defects)
| Grade | 2000版 | 2025版 |
|---|---|---|
|
A
|
~ 0.15
|
~ 0.175
|
|
B
|
0.15 ~ 0.20
|
0.175~0.225
|
|
C
|
0.20 ~ 0.25
|
0.225~0.275
|
|
D
|
0.25 ~ 0.30
|
0.275 ~ 0.30
|
|
F
|
0.30 ~
|
0.30 ~
|
Defects Grading
よくある質問(FAQ)
Q. ISO/IEC 15416とは何ですか? 検証項目と意味を教えてください。
A. 一次元バーコードの印字検証規格です。DEC、EDGE、SC、MINR、MINE、MOD、QZ、DCD、DEFで印字品質を評価します。
Q. 印字品質のグレード(A〜F/4〜0)は何を意味しますか?
A. 各スキャンをA〜F(4〜0)で採点し数値化、平均から総合評価を決めます。Aは良好、Fは不合格です。
Q. 検証はどのように実施しますか?
A. 上下10%を除く中80%を8%刻みで10回スキャンし、各回をA~Fで採点し平均値から総合グレードを決めます。
Q. ISO/IEC 15416:2025の主な変更点は何ですか?
A. 連続グレード導入、二値化しきい値とSC算出の見直し、SC・MOD・DEFのグレード算出方法の変更です。
Q. バーコードの印字検証はなぜ必要ですか?
A. 読み取りエラーを抑え、流通・製造・医療などでのトレーサビリティ確保と工程品質の維持に役立つためです。
キーエンスのバーコードリーダ
-
SR-X シリーズ
AI搭載コードリーダ
AI搭載コードリーダ SR-Xシリーズは、従来体積比-72%の小型設計で、あらゆるコードを確実に読み取る高い読み取り性能を実現します。AIと最新デコーダにより、工程を経るごとに起こるコードの状態変化に追従し、前工程から後工程まで安定した読み取りが可能です。さらに、前後工程のコードリーダを繋げることで読み取り能力がUP、同一ネットワーク内のコードリーダの稼働状況・設定情報を一覧で見える化。万が一の読み取りエラーの際にも、最短で原因解析・対策が可能になります。オートフォーカス・フルオートチューニングを踏襲し、従来と同様、ボタン一つで簡単設定を実現します。IP67準拠の高い堅牢性と、世界各国の通信規格/安全規格に対応した汎用性を備えています。









