CC-Link
ここではCC-Linkについて説明します。
概要
CC-Linkとは、1990年代に、三菱電機株式会社によって開発されたオープンネットワークです。Control & Communication Linkの略称です。三菱電機株式会社にパートナーメーカーとして会員申請することにより、技術情報の公開を受け、通信LSIを購入し、CC-Link対応製品の開発ができるようになります。
最高10Mbpsの高速伝送と、最長1200mの総延長距離(伝送速度156kbps時)を実現しています。2003年には、大容量データ通信が可能になるCC-Link Ver.2.0もリリースされており、2013年3月時点で2097社までパートナー会員数を増やしています。
配線方法と通信プロトコル
配線方法
RS-485をベースにネットワークを構成しているため、総延長距離1200m(伝送速度156kbps時)を実現しています。両端には終端抵抗が必要になります。最大で64局の子局と通信できるため、最大で64台の子局と通信できます。
Ver.2.0で対応した拡張サイクリック通信を使用することで、複数のリンク周期に分けて通信して、通信できるデータ量を増強しています。
通信プロトコル
通信用のデータフレームはHDLCに準拠しており、マスタ・スレーブ方式で通信を実現しています。各子局と通信するデータについては種類ごとにプロファイルという仕様で定義されており、仕様に合わせたCSP(CC-Link family System Profile)ファイルをマスタに登録することで、メーカが異なる製品との通信を簡単に実現できます。CSPファイルはCC-Link対応機器のそれぞれのメーカから提供されています。
CSPファイルにはCSP+と呼ばれるCC-Link IEのプロファイル仕様が統合されたファイルも開発されています。
特徴
CC-Linkはマスタ・スレーブ方式のネットワークです。リンクデバイスや通信制御は、マスタ側で集中管理し、スレーブ側での設定は不要です。通信機能には、一定周期でデータを更新するサイクリック通信機能と、任意のタイミングで更新するトランジェント伝送機能があります。
また、通信の二重化に対応しており、待機マスタ局を使用してマスタ局が電源断した場合も通信を継続することも可能です。
サイクリック通信機能
マスタとスレーブ間でリンクデバイスのデータを自動的に交換する機能です。
トランジェント伝送機能
マスタから指定したスレーブに対して、任意のタイミングでデータを送受信する伝送方式です。トランジェント伝送機能に対応しているのは、マスタ局・ローカル局・インテリジェントデバイス局です。
待機マスタ局
マスタ局に電源断などの異常が発生し、動作が継続できなくなった場合、待機マスタ局(マスタ局のバックアップ用の局)がマスタ局として動作することで通信を継続することができる機能です。マスタ局の二重化などに使用できます。
関連するネットワーク
CC-Link IE
イーサネットベースのオープンネットワークです。デバイスレベルで使用できるCC-Link IE Fieldとコントローラレベルで使用するCC-Link IE Controlがあります。
CC-Link LT
小点数の通信に特化したCC-Link通信です。4点、8点など小点数の子局との通信に対応しています。CC-Linkとは混在できません。
- 記載されている会社名、製品名、ネットワーク名称などは、それぞれ各社の商標または登録商標です。
- 内容の一部(規格、仕様など)については記載当時から変更されている場合がありますのでご注意ください。
2015年11月