HART

ここではHARTについて説明します。

概要

HARTとはアメリカのRosemount Inc.により1988年に開発されたオープンネットワークです。現在ではHART Communication Foundationにより管理されています。

配線方法と通信プロトコル

配線方法

通信は、2線式で配線され、4~20mAのアナログ信号にデジタル信号を重畳して送信し、受信側ではアナログ信号とデジタル信号を分離して使用します。デジタル信号の伝送レートはON時1200Hz、OFF時2200Hzとあまり高速ではありません。基本的には1対1の配線を推奨しておりますが、複数台の機器と接続するマルチドロップにも対応しています。

アナログ信号

アナログ信号

デジタル信号

デジタル信号
配線方法

通信プロトコル

HART通信プロトコルはマスタからのコマンド指令に対してスレーブがレスポンスを返すことで通信します。

特徴

HARTはマスタ・スレーブ方式に対応した通信規格です。通信規格は更新され続けており、直近で公開されているRevision7では、スレーブの状態変化に合わせてスレーブからマスタに対してメッセージを送信するバーストメッセージ通信に対応しています。

マスタ・スレーブ方式

アナログ信号に重畳されたデジタル信号でデータを送受信します。マスタ・スレーブ間で、重畳された信号を分離することで信号を読み取ることができます。

バーストメッセージ通信

スレーブ側で設定値を超えたり、エラーが発生したりした際に自動的にメッセージを送信できる機能です。

HART通信は、伝送レートがOFF時2200Hz、ON時1200Hzと低速なため、主な用途は大容量のデータ通信ではなく、ネットワーク経由で、配線チェックや出力校正時などの通信方法として採用されるケースが多くなります。プラントなどの大規模な設備で、実機と制御機器間の距離が離れている場合の確認時の工数削減などに使用できます。

  • 記載されている会社名、製品名、ネットワーク名称などは、それぞれ各社の商標または登録商標です。
  • 内容の一部(規格、仕様など)については記載当時から変更されている場合がありますのでご注意ください。

2015年11月

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