FL-net
ここではFL-netについて説明します。
概要
FL-net(OPCN-2)とは日本電機工業会により開発されたオープンネットワークです。多数の異なる製造業者のプログラマブルコントローラ(PLC)や数値制御装置(CNC)などの各種FAコントローラやパソコンを相互接続し、制御・監視を実現するために開発されたネットワークです。
配線方法と通信プロトコル
配線方法
汎用イーサネットをベースに配線します。ただし、イーサネットスイッチ使用時はノード(またはイーサネットスイッチ)とノード(またはイーサネットスイッチ)間のケーブル長は最大100mです。総延長距離の制限はありません。最大で254台のノードと接続できます。ただし、通信時に接続している全機器に対して一斉送信(ブロードキャスト)するため、汎用のEthernet通信とは混在できません。
通信プロトコル
UDP/IPを使用して接続している全機器に対してデータを一斉送信しています。すべてのノードが平などに送信権(トークン)をパスしながら通信するトークンパッシング方式が採用されています。そのため、特定のノードの故障によって全体の通信が途絶えることなく、送信タイミングの衝突(コリジョン)による通信パフォーマンスの低下が防止できます。
特徴
FL-netは一定周期で通信を行なうサイクリック通信と任意のタイミングで通信を行なうメッセージ通信に対応しています。サイクリック通信では、コモンメモリと呼ばれる共有領域を使用してデータのやり取りを行ないます。各ノードがコモンメモリに送信したデータを個別に読み出して、データの共有を行います。ノードごとにコモンメモリの設定を行なう必要があります。
サイクリック通信機能
送信権(トークン)を受け取ったノードがデータを一斉送信します。他のノードはデータの中から必要なデータを読み出します。ブロードキャストが完了すると送信権(トークン)が次のノードに移行します。
(参考)コモンメモリ領域
サイクリック通信では、各ノードがコモンメモリと呼ばれる仮想メモリ空間上にそれぞれが使用する領域を設定してデータを共有します。
メッセージ通信機能
ノードから特定のノードに対して、任意のタイミングで、1:1でデータを送受信する通信方式です。
- 記載されている会社名、製品名、ネットワーク名称などは、それぞれ各社の商標または登録商標です。
- 内容の一部(規格、仕様など)については記載当時から変更されている場合がありますのでご注意ください。
2015年11月