最小実体公差方式(LMR:Least Material Requirement)

穴の大きさや位置、厚みの管理などには最小実体公差方式が採られます。
たとえば、部品の穴が最小実体状態(穴の大きさが最大[LMC:Least Material Condition])のときに穴の位置や大きさがずれると、強度が不足して破断するという問題が発生します。このようなスペースが厳しい条件での設計に、最小実体公差方式が役に立ちます。

最小実体公差方式の利用

設計値に対して肉厚の最悪の条件は、穴の径が大きく(最小実体サイズ)、位置が端面側に寄ったときです。反面、穴の径が小さい状態(最大実体状態)では穴が端面側に寄ったときでも強度を確保できます。

最小実体公差方式の利用
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穴の側面が端面に近すぎて、穴が壊れる恐れがある。

とは

寸法に最小実体公差方式を適用する場合は、公差記入枠のサイズ公差に続けてを記入します。また、場合によってはデータム記号に続けて記入します。「L」はLeast Material Requirement(LMR)の略で、最小実体公差方式の適用を指示する記号です。

Lとは

最小実体公差方式の指定例

下図は、最小肉厚を位置度で示した場合の端面と穴について、最小実体公差方式で指示した例です。
サイズ許容区間にを適用すると、位置度Φ0.4は、穴25は最小実体状態のΦ25.1にのみ適用されます。このとき、穴の大きさが小さくなれば、その分だけ幾何公差が緩和されます。

最小実体公差方式の指定例

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