測定器具
幾何公差の測定器具である、定盤・ダイヤルゲージ・Vブロック・ハイトゲージ・限界ゲージ/機能ゲージなどの特徴と用途を解説します。
定盤(じょうばん)
測定の基準となる理想平面を提供する測定工具で、幾何公差の測定ではデータム平面を支持する平面として使用します。素材には石製(御影石、グラナイトなど)と鋳鉄製の2種類があります。
最も一般的な定盤は「箱型定盤」、最も精度の高い定盤は「精密定盤」で、今でも計測・検査の基本的な基準器として使われています。
以上から、定盤の精度管理は大変重要で、JISでも以下のように定められています。
等級0:平面度3.5μm
等級1:平面度7.0μm
等級2:平面度15.0μm
ダイヤルゲージ
平行や高さを比較測定する測定器です。ダイヤルゲージは、対象物の曲がりや偏心などの変化量を細かく読み取ることができる測定器です。ストロークが数mmの「スピンドル式」やカンチレバーの回転角をダイヤルで拡大する「テコ式」があります。近年では、測定値をデジタル表示する「デジタルインジケータ式」も使われています。なお、ダイヤルゲージでの測定する場合、基準となるサイズはブロックゲージで作ります。
Vブロック
円形や球形の測定対象物の保持台として使うブロックです。鋼鉄または鋳鉄でできており、Vブロック(ヤゲン台)・V溝付き枡形ブロック、A型Vブロック(A型ヤゲン台)などがあります。これらは、対象物の形体や測定の目的によって使い分けられます。
JISでは、精度により1級と2級を定めています。
ハイトゲージ
限界ゲージ/機能ケージ(ロケーションゲージ)
量産される機械部品の寸法サイズ(仕上がり寸法)を検査するのが「限界ゲージ」で、最大実体公差方式を検査するのが「機能ゲージ」です。
幾何公差に最大実体公差が指示された部品の検査は、三次元測定機を使うことで測定できます。しかし、全数検査をする場合など、検査対象が多い場合には時間がかかってしまいます。
そこで、通り側の限界ゲージと止まり側の限界ゲージ、機能ゲージの3種類を使うことで、寸法と幾何公差の合否判断が簡単にできるようになります。検査の動作は簡単で、インラインでのすばやい検査も可能です。