共通データムとデータム系
「共通データム」とは、2つの単一データムを1組にして指定し、1つのデータムとして機能させるものです。一方、「データム系」は、2つ以上のデータムを組み合わせて使うデータムのグループです。
共通データム
共通データムは、2つのデータム形体で設定される単一のデータムのことです。共通データムは、別々のデータム形体を共通の実用データム形体に対して適用します。
指示記号
データムの設定
- a
- データムAの軸線
- b
- 共通データムA‐B
- c
- データムBの軸線
- d
- 実用データム形体（＝接触面）
たとえば、同軸である2つの最小外接円筒を固定してできる共通軸直線を用いた場合の指示は、1つの枠の中にデータムの2つの文字をハイフンで結んで指定します。こうすることで、データムAとBで軸線を直線化することができます。
データム系
公差付き形体の基準とするために、個別の2つ以上のデータムを組み合わせて用いる場合のデータムのグループのことです。
指示記号
データムの設定
- データムAを押し当てる
- データムBを押し当てる
- データムCを押し当てる
部品が完全拘束される
たとえば、部品の姿勢を完全に拘束するには、3つのデータムを用います。このように、互いに直交する3つのデータム平面によって構成されるデータム系を「三平面データム系」といいます。こうすることで、最適な面をデータムに設定することができます。
