最大実体公差(MMR)と最小実体公差(LMR)

最大実体公差(MMR:Maximum Material Requirement)は、軸と穴などのはめ合わせる部品の公差の指示に使います。また、最小実体公差(LMR:Least Material Requirement)は、端面に近い位置の穴の強度やパイプの厚みを指定するときに使います。

記入のしかた

一部のサイズに最大実体公差方式を適用する場合、幾何公差の数値に続けて、場合によっては公差記入枠内のデータム記号に続けてを記入します。また、最小実体公差方式の場合はを記入します。

最大実体状態の場合
最大実体状態の場合
a
最大実体サイズの時に許容する公差値
b
最大実体公差方式を適用する記号
最大実体状態の場合
a
データムにも最大実体公差方式を適用する記号

最大実体公差方式と最小実体公差方式のメリット

サイズの偏差と幾何公差の偏差から、体積に関する規制が正確に行えるため、適切な公差設定が可能です。たとえば軸と穴などの公差に使用すると、共に部品の体積を正確に表せるため、加工のコストを低減し、品質を向上できるメリットがあります。

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