3Dプリンタでの筐体試作事例

3Dプリンタを筐体設計に活用した事例を紹介します。近年では、3Dプリンタの寸法精度も高くなり、デザイン性や操作性はもちろん、機能の評価も行えるようになっています。これまではコストや時間の問題で頻繁に実施できなかった試作品を使った検証ですが、3Dプリンタを導入することで手軽に実施でき、設計品質の向上と手戻りの防止に効果を発揮します。

他の部品との干渉やかみ合わせの検証

照明

照明のケース部分を3Dプリンタで製作した事例です。照明のデザイン確認、組付けた状態での可動部分の確認ができます。塗装すれば、より最終製品に近い状態でデザインを検討できます。

照明

車載コントロールユニット

基盤と筐体の干渉を含め、勘合をチェックできます。キーエンスの3Dプリンタ「アジリスタ」は、透明度の高いアクリル系UV硬化樹脂が使用でき、筐体内部の状態も目視で確認できます。

車載コントロールユニット

モニター

モニターのような大型の造形モデルは、分割して造形し、接着することで評価ができます。キーエンスの3Dプリンタ「アジリスタ」の造形サイズは、297×210×200mmですが、分割造形後に接着することでエリアに収まらない3Dデータの造形モデルも作成可能です。

モニター

スナップフィット

金属やプラスチックの接合に使われる「スナップフィット」は、実物でないとかみ合わせのチェックが難しい場所です。3Dプリンタならスナップフィットのかみ合わせチェックも手軽に行えます。かみ合わせに問題があった場合は、詳細設計に移る前に設計の見直しやボルト留めへの変更などを検討できます。

スナップフィット

筐体の機能の検証

水栓金具

機械加工では手間のかかる複雑な中空形状も3Dプリンタなら簡単に造形できます。デザイン性や操作感のほか、実際に水を流すこともできるので機能面の検証も可能です。

水栓金具

注型マスター

急ぎで数個の筐体を作成したいが、金型の製作が間に合わないというときにも3Dプリンタの出番です。3Dプリンタで出力した造形モデルをそのままマスターモデルとして使用し、注型を作ることで製品を作ることができます。

注型マスター

PC筐体

電子部品や液晶ディスプレイを搭載したパソコンの検証にも3Dプリンタは最適です。部品の干渉のほか、発熱する部品をつけて冷却・放熱性の検証ができます。キーエンスの3Dプリンタ「アジリスタ」は、100°C(※)の耐熱性を持つ樹脂が使用できます。

造形後の熱処理が必要になります。耐熱温度は「JISK7191荷重たわみ温度(0.45Mpa)」にもとづくものです。

PC筐体

シャワーヘッド

透明な樹脂を使えば、シャワーヘッド内の水の流れも確認できます。キーエンスの3Dプリンタ「アジリスタ」は、耐熱性100°C (※)の樹脂も用意しているので、熱湯での検証もできます。また、シャワーヘッドの水が出る穴など、細かい部分のサポート剤の除去は手間がかかりました。アジリスタは、水溶性サポート材を採用しているので、除去の手間もかかりません。

造形後の熱処理が必要になります。耐熱温度は「JISK7191荷重たわみ温度(0.45Mpa)」にもとづくものです

シャワーヘッド

ヒンジ

キーエンスの3Dプリンタ「アジリスタ」は、インクジェット方式で世界初となるシリコーンゴムに対応しています。低硬度と高硬度の2種類の硬度が選べるので、柔軟性が求められるパッキングやヒンジ、そのほかゴムパーツの検証にも最適です。

ヒンジ

筐体設計のススメ トップへ戻る