エネルギーの種類

エネルギーと言ってもさまざまな種類があります。こちらでは、エネルギーの種類を中心に、一次エネルギーと二次エネルギーの分類、そのほか次世代エネルギー(新エネルギー)を説明します。

エネルギーの定義

エネルギーは、「一次エネルギー」と「二次エネルギー」の2つに分類できます。一次エネルギーは、加工されていない状態で供給されるエネルギーを指し、石油や石炭、原子力、天然ガス、水力、地熱などが該当します。太陽光や風力のような再生可能エネルギー、薪や木炭なども含まれます。

二次エネルギーは、一次エネルギーを転換・加工して得られるエネルギーを指します。一般家庭やオフィス、工場に送られる電気やガス、ガソリンなどは二次エネルギーに該当します。一次エネルギーは、そのままでは利用がほぼできないため、通常は発電・精製・乾溜などの加工を経て消費者のもとに届けられます。

エネルギーの定義
  1. ①一次エネルギー
  2. ②二次エネルギー
A
ガス田
B
LNG 基地
C
都市ガス
D
LP ガス
E
ガス
F
油田
G
LP ガス基地
H
製油所
I
ガソリン・灯油
J
重油
K
ガソリンスタンド
L
石炭採掘
M
石炭
N
原子力・水力・風力・太陽光など その他の一次エネルギー
O
各種発電所
P
電気

一般的なエネルギーの種類について

以下は一般的なエネルギーの種類になります。

【一次エネルギー】化石燃料(石油・石炭・天然ガスなど)

動植物の死骸が地中に蓄積し、長い年月をかけて地圧・地熱などにより編成されてできた有機物の中で燃料と使用されるものの総称です。現在使われているものとしては、天然ガスや原油、石炭などが該当し、近年ではメタンハイドレードやシェールガスなどの利用も検討されています。これら化石燃料は、基本的にはそのままエネルギーとして使用できないので、発電所や石油精製工場などで加工され、消費者に届けられます。

【一次エネルギー】化石燃料(石油・石炭・天然ガスなど)

【一次エネルギー】核燃料

原子力発電に使われるウラン鉱石、使用済燃料を再処理することで生まれるプルトニウムなどを核燃料と呼びます。原子力発電では、原料となるウラン鉱石を精錬、転換、濃縮、再転換、成型加工し、燃料集合体に加工した後に原子炉に装荷され発電を行います。さらに発電後に再処理することでプルトニウムとウランを回収し、再利用されます。

【一次エネルギー】核燃料

【一次エネルギー】再生可能エネルギー

太陽光・風力・水力・地熱などを総称して再生可能エネルギーと呼びます。太陽光発電などは、一般家庭にも取り入れられているので、二次エネルギーとしても利用されます。再生可能エネルギーは、CO2排出がゼロもしくは少ない、枯渇しないなど多くのメリットがあり、注目されていますが、エネルギー全体で見るとまだまだ利用が少ない状況です。

【一次エネルギー】再生可能エネルギー

【二次エネルギー】電気

火力発電や原子力発電、水力発電を利用して家庭やオフィス、工場などに送電されるエネルギーが電気です。主に原油を生成した石油、石炭、天然ガス、ウラン鉱石などの一次エネルギーを加工して電気を作ります。

【二次エネルギー】電気

【二次エネルギー】ガソリン・軽油

原油を精製して重油・灯油・ガソリン・LPガスを作ります。その中からガソリン・軽油は自動車の燃料に使用されます。

【二次エネルギー】ガソリン・軽油

【二次エネルギー】ガス

天然ガスや原油を精製したときにできるLPガスなどは、都市ガスやLPガスとして一般家庭やオフィス、工場などで使用されます。

【二次エネルギー】ガス

そのほか製造業で使用されるエネルギー

工場では、電気・ガス・水道のほか、エアー(空気)や蒸気、油(油圧)なども使用されます。これら工場を稼働させる力もすべてエネルギーの一種です。

次世代エネルギー(新エネルギー)

太陽光発電や風力発電などの再生可能かつ二酸化炭素排出量がゼロもしくは少ない、そしてエネルギー源の多様化に貢献するエネルギーを「次世代エネルギー」と呼んでいます。日本では、「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法(新エネ法)」を制定して、実用段階に達しているが普及が十分でないものとして以下10種類の再生可能エネルギーを「新エネルギー」として利用推進を図っています。

次世代エネルギー(新エネルギー)

また、新エネルギー10種類以外にもヒートポンプ・天然ガスコージェネレーション・燃料電池・クリーンエネルギー自動車などの普及推進も行われています。一般的にこれらを日本では「次世代エネルギー」と呼んでいます。海外では、「代替エネルギー」とも呼ばれます。

太陽光発電

日本で急速に普及している新エネルギーが「太陽光発電」です。太陽光パネルを設置するだけなので導入しやすく、屋根や壁などにも設置できることから一般家庭でも普及しています。

風力発電

風で風車を回し、風のエネルギーを電気エネルギーに変換するシステムです。太陽光のように日照に左右されず、風さえあれば夜でも発電ができ、低コストで効率がよいことから普及が進んでいます。

地熱発電

地熱を利用した発電です。火山国の日本は、地熱が利用しやすいため導入が推進されています。地熱発電で利用した高温の蒸気や熱水は、農業用ハウスや魚の養殖などに再利用可能です。ただ、発電量が少ないため、今後の技術革新などが待たれています。

バイオマス発電

動物や植物から生まれた生物資源を総称して「バイオマス」と呼び、生物資源を直接あるいはガス化して発電する方法をバイオマス発電と呼びます。二酸化炭素を排出せず、廃棄物を再利用するので注目を集めていますが、各自治体で資源を収集・運搬・管理するコストなどの問題を抱えています。

中小規模水力発電

ダムなどの大規模な施設を伴わない、1000kW以下の水力発電を中小規模水力発電と呼んでいます。日本では、昔から水車が利用されてきた歴史もあり、河川や水路を活用して発電が可能です。

バイオマス熱利用

バイオマス発電で発生した蒸気の熱を利用したり、バイオマス資源を発酵させることで発生するメタンガスを利用するものを「バイオマス熱利用」と呼びます。バイオマス発電のエネルギーをさらに再利用できるので非常に効率的なシステムです。

太陽熱利用

太陽の熱エネルギーで水や空気などを温め、給湯や冷暖房に活用するものを「太陽熱利用」と呼びます。太陽さえあればエネルギーが得られ、システムが簡単でコストがかからないことがメリットです。

雪氷熱利用

主に雪国を中心に導入が進められているのが「雪氷熱利用」です。冬場の雪や氷を保管し、夏の冷房などに利用します。コストがかからず、冬季の除雪・融雪に活用できることがメリットです。

温度差熱利用

地下水や河川の水、下水などを利用し、気温と水温の温度差からエネルギーを得るものが「温度差熱利用」です。

バイオマス燃料製造

バイオマス資源を使い、ペレットなどの固体燃料、バイオエタノール、バイオディーゼル燃料などの液体燃料、バイオガスなどの気体燃料を作ることを「バイオマス燃料製造」と呼びます。余った木材や廃油などから燃料を作ることができ、現在研究が進められています。

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