用語集

省エネに関する用語集です。製造業で省エネ対策を実施する際に使われる言葉をまとめていますので参考にしてください。

ESCO

「Energy Service Company」の略で、ビルや工場を対象に省エネルギーに関する包括的なサービスを提供するビジネスです。ESCO事業は、「エネルギー診断に基づく省エネルギー提案」「提案実現のために省エネルギー設計および施工」「導入設備の保守」「エネルギー供給に関するサービス」「事業資金のアレンジ」「省エネルギー効果の保証」「省エネルギー効果の計測と検証」「計測・検証に基づく改善提案」などを行います。

FEMS

「FEMS(Factory Energy Management System)」の略で、受変電設備によるエネルギー管理に加え、工場内にある生産設備のエネルギー使用状況・稼働状況を把握し、エネルギー使用の合理化と設備・機器のライフサイクル管理最適化を図るシステムの総称です。FEMSは、データ収集機能・データベース管理機能・監視・管理機能などから構成されます。

エアハンドリングユニット(AHU)

「エアハンドリングユニット(Air Handling Unit:AHU)」は、外部熱源設備から供給される冷水・温水・蒸気などを利用して、空気の温度・湿度を調節して部屋へ供給する比較的大型の一体型空気調和機のことです。一般的に送風機・熱交換器・加湿器・エアフィルタ、ケーシングで構成されています。

エネルギー管理士

エネルギー管理士とは、エネルギー管理士試験に合格またはエネルギー管理認定研修を修了して、エネルギー管理士免状の交付を受けている者のことです。第一種エネルギー管理指定工場に指定された製造業、鉱業、電気供給業、ガス供給業、熱供給業の5業種では、エネルギーの使用量に応じてエネルギー管理士免状の交付を受けている者のうちから1人ないし4人のエネルギー管理者を選任する必要があります。5業種以外でも専任が必要なことがあります。

エネルギー管理者

エネルギー管理者は、エネルギー管理士免状取得者から専任します。第一種特定事業者で、製造業、鉱業、熱供給業、電気供給業、ガス供給業の第一種エネルギー管理指定工場は、指定工場ごとにエネルギー管理士免状所有者のうちからエネルギー管理者を選任しなければいけません。

エネルギー管理指定工場等

省エネ法で、エネルギーの使用の合理化を特に推進する必要があると指定された工場等を指します。年間(年度)のエネルギーの使用量が原油換算 3,000kL以上で第一種エネルギー管理指定工場等、1,500kL以上3,000kL未満で第二種エネルギー管理指定工場等に指定されます。指定されるとエネルギー管理者・エネルギー管理員の選任が義務になります。

エネルギー使用状況届出書

省エネ法のよる特定事業者または特定連鎖化事業者の指定を受けてない事業者で、かつ事業者(企業)単位で、前年度(4月1日から翌年3月31日まで)のエネルギー使用量が原油換算で1,500Kl以上の場合に提出義務が発生する書類です。すでに指定を受けている特定事業者および特定連鎖化事業者は、「エネルギー使用状況届出書」の提出は不要です。

エネルギー消費効率

特定機器ごとに定めた方法で測定・計測したエネルギーの値です。基準エネルギー消費効率はトップランナー方式を用いて測定・計測することが定められています。

エネルギーの計量

燃料や電力などの管理には計算が必須です。省エネ対策では、エネルギーの使用量を把握し、各種解析後に対策を実施します。

工業炉

炉とは、高温加熱用の装置全般を指します。その中でも金属加熱炉・溶解炉・熱処理炉、石油加熱炉、熱分解・改質炉、セメント等焼成炉、乾燥炉(乾燥装置を含む)など、製造業で使用されるものを工業炉と呼びます。

高効率電動機

部材や構造の改良によって高効率可したモータを「高効率電動機」または「高効率モータ」と呼びます。省エネ対策としては、ファンやポンプ、コンプレッサーなど、長時間運転する設備に高効率電動機(高効率モータ)を用いることで消費電力低減効果があります。

最終エネルギー消費

発電所などで作られたエネルギーではなく、工場やオフィス、運搬や家庭で実際に消費されたエネルギーの量を「最終エネルギー消費」と呼びます。

次世代省エネ基準

住宅に関する省エネ基準です。1999年(平成11年)に改正告示された「住宅に係わるエネルギーの使用の合理化に関する建築主の判断と基準」および「同設計・施工の指針」を「次世代省エネルギー基準」「平成11年省エネルギー基準」と呼んでいましたが、2013年(平成25年)に改正。これまでは建物外皮(建物の構造や躯体)の断熱性能を指標としていたが、改正により設備機器を含めた建物全体のエネルギー消費量(一次エネルギー消費量)という指標が導入されました。

省エネ大賞

省エネルギー意識、活動および取組みの浸透、省エネルギー製品等の普及促進に寄与することを目的とし、2011年より一般財団法人省エネルギーセンターが経済産業省の後援を受けて主催している表彰です。事業者や事業場等において実施した他者の模範となる優れた省エネ取り組み、省エネルギー性に優れた製品並びにビジネスモデルを表彰するものです。この表彰事業では、公開の場での審査発表会や受賞者発表会、さらには全応募事例集や受賞製品概要集などを通じ、情報発信や広報を行うことにより、国全体の省エネ意識の拡大、省エネ製品の普及などによる省エネ型社会の構築に寄与することを目的としています。

省エネ法

「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」を省エネ法と呼びます。省エネ法は、石油危機を契機として昭和54年に制定された法律で、「内外におけるエネルギーをめぐる経済的社会的環境に応じた燃料資源の有効な利用の確保に資するため、工場等、輸送、建築物及び機械器具等についてエネルギーの使用の合理化に関する所要の措置、電気の需要の平準化に関する所要の措置その他エネルギーの使用の合理化等を総合的に進めるために必要な措置を講ずることとし、もって国民経済の健全な発展に寄与すること」を目的としています。

スクリューコンプレッサー

ケーシング内の回転するローターで、ケーシングとローター間の容積を変化させて気体を圧縮するコンプレッサーを「回転式コンプレッサー」と言います。スクリューコンプレッサーは、回転式コンプレッサーの一種でターボコンプレッサーに次ぐ大型容量コンプレッサーです。

スクロールコンプレッサー

容積型の回転式(ロータリー式)コンプレッサーの一種です。非接触で磨耗がなく長寿命、精密設計でギャップが小さく、オイルフリーで振動がなく、静寂なので自動車のクーラーやパッケージクーラーのコンプレッサーに使われています。

ターボコンプレッサー

高速回転翼によって直列に多段圧縮(3-4段)を行う大型空気圧縮機です。圧縮工程ごとにインタークーラーで圧縮空気を冷却します。遠心式コンプレッサーと軸流式コンプレッサーに分類されます。

第一種エネルギー管理指定工場

年度のエネルギー使用量が原油換算で3,000kl以上の工場・事業場は、「第一種エネルギー管理指定工場等」に指定されます。

第一種指定事業者

下記のいずれかに該当する事業者を第一種指定業者と呼びます(省エネ法第8条)。
第一種エネルギー管理指定工場のうち
1)政令で定める5業種の中で第一種エネルギー管理指定工場が事務所のみの場合
2)政令で定める5業種以外の事業者
第一種指定事業者はエネルギー管理者の選任でなく、エネルギー管理員の選任でも許されます。その場合、中長期計画時にはエネルギー管理士の参画が必要です。

待機時消費電力量

電気製品などの利用時に、すぐに動作できるように消費する電力量を「待機時消費電力量」と言います。リモコン操作のために待機しているテレビやビデオのほか、コンセントに接続して待機状態で電力を消費しているものすべてです。

地球温暖化対策推進法

地球温暖化の防止を目的に1998年に成立した法律です。2006年4月からは、原油換算で年に1500kL以上のエネルギーを消費する事業所などを対象に、排出量を国に報告することが義務付けました。また、「地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案」が2016年5月20日に成立しました。

デマンド制御

「使用電力の最大値(デマンド)を抑えることで電気代の基本料金を抑えるためのシステム」のことをデマンドシステムと呼び、その制御方法をデマンド制御と言います。「デマンド」とは30分間の平均使用電力のことを指し、30分間の時間の区切りをデマンド時限(需要時限)と呼びます。

トップランナー方式

省エネ法に基づく機器のエネルギー消費効率基準の策定方法です。電気製品・自動車などの省エネルギーの基準を、現在もっともすぐれた性能をもつ製品に合わせる方式です。1999年の省エネ法改正により、民生・運輸部門の省エネルギーの主要な施策の一つとして導入されました。

二酸化炭素排出量係数

電力会社が一定の電力を作り出す際にどれだけの二酸化炭素を排出したかを推し測る指標です。「実二酸化炭素排出量÷販売電力量」算出され、「kg-CO2/kWh」という単位で表します。「CO2排出係数」「CO2排出原単位」とも呼ばれます。

配管保温

蒸気や温水などの加熱流体を通す配管は、温度が低くなると燃料損失になるので配管を温めます。この配管を温めることを「配管保温」と言います。

負荷率(%)

一定期間の平均電力がその期間の最大需用電力の何パーセントにあたるかを示す指標です。平均需用電力に対して最大需用電力が大きい場合は、負荷率が低いということになります。電気料金から考えると、契約電力を高めに設定したことに相当し、基本料金が高くなります。設備面から考えると設備投資費が割高になり、機器を低負荷で運転することによる運転効率低下が重なって電力の損失増加にもつながります。

冷却塔

水の蒸発を利用して温水を冷却する装置です。冷却塔は、空気と水の流れる方向によって「向流型=カウンターフロータイプ」と「直交流式=クロスフロータイプ」に分類されます。

レシプロコンプレッサー

シリンダ内部を往復するピストンの作用で、圧縮室の空間容積を変化させるコンプレッサーです。自動車のエンジンと基本的には同じメカニズムです。本体吐出にバルブが必要で、トルク変動が大きく、低速回転のため音・振動が大きいですが安価です。

炉圧管理

工業炉は、材料投入口や取出口に開口部があり、炉内圧が高すぎると開口部から放炎が起こり、逆に炉内圧が負圧だと冷気が炉内に侵入します。どちらの場合でも熱損失になるので、排ガスダンパのマニュアル操作等で炉内圧管理を行います。

炉内パージ

ボイラーなどの燃焼炉を使用する場合、爆発防止のために添加前に通風器を運転し、煙道ダンパおよび風道ダンパを開き、炉内・煙道内のガスを換気します。この作業を「炉内パージ」と呼びます。

省エネ工場 トップへ戻る