圧力管理による省エネ対策なら「圧力センサ」

製造業では、液体や気体、蒸気などを扱いますが、これらは流量のほかに圧力管理も重要です。例えば、ポンプやシリンダー、コンプレッサ、タービンなどは圧力を利用しています。こちらでは、圧力管理による省エネ対策として、圧力センサの基礎知識と実際の活用例を紹介します。

圧力センサとは

工場では、圧縮空気を生み出すコンプレッサ、圧縮空気で作動するシリンダーのほか、蒸気を利用した設備、プレスや樹脂成形などの加工など、さまざまな場所で圧力の原理を利用しています。圧力とは、単位面積に対して垂直に働く力です。単位は、以前は「kgf/cm2」を使用していましたが、現在は国際単位系の「 Pa(パスカル) 」を使います。圧力は、流量とも密接に関連しており、圧力損失が発生すると、エネルギー損失になります。そこで流量と合わせて圧力管理も非常に重要です。

圧力センサとは

生産設備の圧力管理

工作機械の油圧

工作機械の油圧

工作機械の多くは、油圧シリンダーや油圧バルブなどを使用しています。作動のほか、洗浄や冷却に油が使用されていますが、従来それらの油圧管理は、十分に行えていないことが多いです。省エネの観点からは油圧管理を行い、適切な油圧に保ち、無駄な圧力を使わないことが重要です。そのためには油圧センサを用いた油圧管理が効果的です。常時、油圧を管理することで変化がわかり、作動油の劣化や漏れなども発見しやすくなります。

キーエンスの耐環境デジタル圧力センサ「GP-Mシリーズ」は、油・水・ミストを含むエアに対応し、-0.1~+40MPaまでにワイドレンジなので、幅広い用途に使用できます。耐油性に優れたセラミック(アルミナ)ダイヤフラムを採用しているので、油圧管理にも最適です。

接着剤の圧力

接着剤の圧力

接着剤やシーリング材の塗布は、ディスペンサーなどで行うケースが増えています。このディスペンサーには、さまざまな吐出方式がありますが、エアの圧力を利用する「空圧(シリンジ)方式」などは圧縮空気を利用します。従来は圧力の漏れや機器の劣化による圧力低下が起こると、正確に接着剤が塗布できないばかりか、無駄なエネルギー消費にもなっていました。そのため圧力管理が大切です。圧力センサで常時監視することで変化がわかり、圧力異常をすぐに発見できます。

キーエンスの耐環境デジタル圧力センサ「GP-Mシリーズ」は、内部に凹みの少ないステップ フラッシュ ダイヤフラムを採用しているので、液溜まりや気泡溜まりが起きにくく、グリスやコーティング剤、接着剤、フラックス、シール材のような粘度が高く、詰まりやすい流体にも使用できます。

殺菌洗浄機器の水圧管理による最適化

殺菌洗浄機器の水圧管理による最適化

殺菌や洗浄の工程では、蒸気などの高い温度の気体・液体を利用します。また、冷却では低温の気体・液体を用います。省エネでは、これらの気体・液体の圧力を適正に保ち、無駄のない運用が大切です。圧力管理を徹底すれば、圧力漏れの早期発見にもつながります。しかし、殺菌洗浄機器は、高温または低温の気体・液体を利用することが多く、対応している圧力計の選定が大変でした。キーエンスの耐環境デジタル圧力センサ「GP-Mシリーズ」は、-20~+100°Cの流体に対応しているので、超低温から高温の流体を計測可能です。たとえば、殺菌洗浄機器に使う熱湯の圧力測定も可能です。

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