流量とは

流体管理の基本となる「流量」の基礎知識

工場では切削水や切削油、冷却用クーラントや作動油、溶接時のシールドに利用されるアルゴンガス、酸化防止や熱処理に使われる窒素など、さまざまな液体や気体が用いられます。これらの液体や気体を総称して「流体」と呼び、その物理量を「流量」として表します。こちらでは流量管理の基本となる「流量」の定義や流量計の必要性について、わかりやすくご説明します。

流量の定義

日本産業規格のJIS B0100バルブ用語では、流量を「単位時間に流れる流体の体積または質量」と定義しています。「1分間に何ccの水が流れたのか?」「1時間に何m3のガスが流れたのか?」を示す物理量が流量であり、流量を計測するものが流量計や流量センサとなります。

流量の計測方法には、体積を計測する「体積流量」と質量を計測する「質量流量」という2種類があります。また流量管理には、「瞬間流量」と「積算流量」という2種類があり、流体の性質によって「体積流量」と「質量流量」を、流量管理の目的によって「瞬間流量」と「積算流量」を使い分ける必要があります。

流量の定義

体積流量
単位時間当たりの体積変化

質量流量
単位時間当たりの質量変化

体積流量と質量流量瞬間流量と積算流量の違いについて詳しくは、各ページをご覧ください。こちらでは、「流量とは、液体や気体などの流体が一定時間内に移動する量(体積もしくは質量)を示す物理量」と覚えていただければと思います。

流量計の必要性

製造現場では、品質の向上や安定、装置保護、火災などの事故防止のために流量を監視する必要があります。例えば、以下のようなシチュエーションをイメージしてください。

  • 冷却水の流量を管理し、工作機械の温度上昇を防ぐ
  • 作動油の流量を管理し、油圧制御の動作異常を検知する
  • 不活性ガスの使用量を一定に保ち、溶接時の酸化を防いで品質を高める
  • 各種ガスなどの流量を監視し、「見える化」することでコストカットにつなげる

上記はあくまで一例ですが、流量管理によって「品質管理」「装置保護」「省エネルギー(コストダウン)」といった効果を得ることができます。流体管理の目的や効果、改善策については別ベージでも詳しく解説しています。

また、製造工程では冷却水や作動油、各種ガス、蒸気などのさまざまな流体を利用するため、個別の流体に対して最適な流量計の選定や設置はもちろん、生産ライン全体を連続したプロセスと捉えて流量管理する必要があります(プロセス管理と流量)。さらに流量だけではなく、温度や圧力なども考慮することが重要です(温度・圧力の物理量との違い)。

流量計の必要性

流量知識.COMでは、流量管理に必要な基礎知識のほか、流量計の選定方法トラブル対策導入事例用語集などをご紹介します。

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