流体の粘度と目安
流量計・流量センサによって異なる対応粘度
流量管理で扱う液体は、一般的に粘性流体であり、流量計・流量センサによって対応粘度が異なります。また、オイルなど温度によって粘度変化が大きい場合、塗料のように高粘度な流体の計測は注意が必要です。こちらでは、一般的な液体の粘度の目安についてまとめています。
温度によって変化する流体の粘度
選定のポイントでもご説明しましたが、流量計・流量センサの選定では測定対象の情報を整理し、最適な測定方法を選択することが大切です。その項目の一つとして流体の粘度が挙げられます。粘度について詳しい説明は用語集 粘度と動粘度をご確認ください。
粘度は、物質ごとに決まっており、温度によって変化するので流体名と温度から推測することができます。SI単位では「Pa・s(パスカル秒)」で、以前はCGS単位「P(ポアズ)」「cP(センチポアズ)」が使われていました。
液体の場合は、温度が低いと「ドロドロの状態」、温度が高いと「サラサラの状態」に粘度が変化します。参考として水の温度変化と粘度の変化をご覧ください。
水の温度と粘度変化の関係
| 0°C | 25°C | 50°C | 75°C | 100°C |
|---|---|---|---|---|
| 1.792 mPa・s | 0.890 mPa・s | 0.548 mPa・s | 0.378 mPa・s | 0.282 mPa・s |

液体の粘度と目安
生活の中で一般的に使われている液体の粘度は以下のようになります。単位は「mPa・s(ミリパスカル秒)=0.001 Pa・s(パスカル秒)=1 cP(センチポアズ)」で、20°Cでの数値になります。
一般的な液体の粘度の目安

実際に製造現場で利用される各種物質の粘度をまとめてきました。単位は「mPa・s(ミリパスカル秒)で、20°Cの粘度になります。
流体名と粘度一覧
| 流体名 | 粘度 |
|---|---|
| 二酸化炭素 | 0.074 |
| アンモニア | 0.115 |
| エーテル | 0.24 |
| 塩化エチル | 0.27 |
| アセトン(100%) | 0.322 |
| 二酸化硫黄 | 0.34 |
| 二硫化炭素 | 0.366 |
| 酢酸メチル | 0.381 |
| 酢酸エチル | 0.449 |
| 酸化ビニル | 0.45 |
| オクタン | 0.56 |
| トルエン | 0.586 |
| メチルアルコール(100%) | 0.62 |
| クロロホルム | 0.63 |
| 四塩化炭素 | 0.97 |
| クロルベンゼン | 1.01 |
| 水 | 1.01 |
| エチルアルコール(100%) | 1.20 |
| 酢酸(100%) | 1.22 |
| 水銀 | 1.554 |
| ニトロベンゼン | 2.01 |
| 塩酸(31.5%) | 2.40 |
| 灯油 | 2.42 |
| ブチルアルコール | 2.95 |
| イソブチルアルコール(100%) | 4.20 |
| アニリン | 4.40 |
| アミルアルコール | 4.50 |
| 石炭酸 | 11.60 |
| エチルグリコール | 23.5 |
| 硫酸(111%) | 59.00 |
| 水酸化ナトリウム | 110.00 |
| グリセリン(100%) | 1499 |







