特殊な配管での設置方法

バルブは流量計の下流に設置

流量調整バルブなどは、ライン圧を確保するために流量計の下流に設置してください。また、半開状態のバルブ部では不均一な流速分布が発するので、口径の5~20倍の直管部を確保しましょう。直管部の長さについては、十分な直管部を設けるをご確認ください。

バルブは流量計の下流に設置

配管の最終端が開放状態になる場合

配管の最終端が開放状態になる場合は、開放端までにバルブなどを入れ、負圧などによる流体関連振動が流量計・流量センサに伝わらないようにしましょう。下流側(出口側)が開放または下りになっているとライン圧が低下して渦が消えたり、キャビテーションが発生したりする恐れがあります。ライン圧が低下する場合は、流量計・流量センサの下流側にバルブや絞りを入れて圧力を確保しましょう。ただし、絞りを入れると圧力損失が発生するので、ポンプのパワーに余裕を持たせてください。

配管の最終端が開放状態になる場合

柔らかい樹脂チューブによる配管の場合

柔らかい樹脂チューブによる配管で外部から加圧があったり、内部が負圧傾向になったりすると振動が発生する恐れがあります。振動が発生すると渦の周波数に干渉して検出値がずれたり、変動したりすることがあるので、流量計・流量センサの下流側にバルブなどを入れてライン圧を確保しましょう。

柔らかい樹脂チューブによる配管の場合

集合配管の場合

集合配管(分岐)付近では脈動が相互干渉することがあるので、バルブを入れてライン圧を確保してください。以下には、集合配管(分岐)のパターン別に対策をまとめています。

下流側が集合配管になっている場合

流量計・流量センサの下流側に集合配管(分岐)がある場合、母管に合流する手前にバルブを入れてライン圧を確保します。バルブを入れることで合流地点からの脈動の影響を低減できます。

下流側が集合配管になっている場合

上流側が集合配管になっている場合

上流側に集合配管(分岐)がある場合、分岐後(流量計や流量センサの手間)にバルブを入れてライン圧を確保することで、合流地点からの脈動の影響を低減できます。ただし、バルブ設置位置で不均一な流速分布が発生するので、バルブから流量計・流量センサまでの直管部は最低でも口径の5倍以上確保してください。

上流側が集合配管になっている場合

口径変換する場合

口径変換する場合は、上流側の配管が細いのか、下流側の配管が細いのかによって配管方法が異なります。以下には、口径変換のパターン別に対策をまとめています。

上流側で細管から拡張する場合

細管から拡張されるとライン圧が低下し、不均一な流速分布やキャビテーションが発生する可能性があります。この場合は、下流側にバルブなどを入れてライン圧を確保することで、その影響を低減できます。

上流側で細管から拡張する場合

下流側で細管に絞られている場合

下流側で細管に絞られている場合は、ライン圧が確保されているのでバルブなどの設置は不要です。

下流側で細管に絞られている場合

下流側で太管がある場合

上流側で細管から拡張する場合と同様、配管が拡張されるとライン圧が低下するので不均一な流速分布やキャビテーションが発生する可能性があります。この場合は、下流側の太管に接続する手前にバルブなどを入れ、ライン圧を確保することで影響を低減できます。

下流側で太管がある場合

上流側に太管がある場合

下流側で細管に絞られている場合と同様に、ライン圧が確保されているのでバルブなどの設置は不要です。

上流側に太管がある場合

標準的な配管方法について

最後におさらいとして標準的な配管をご紹介します。

標準的な配管方法について

A:下流側バルブ

流量計・流量センサの下流側にバルブを入れることでライン圧を確保し、気泡や振動などの影響を低減します。

B:下流側の直管部

下流側の直管部は、口径の5倍以上確保することで不均一な流速分布を低減する効果があります。

C:流量計・流量センサの配管方向、流れの方向

縦配管の場合は下から上にすることで満水状態を保ちます。上から下に流体を流すとライン圧が確保できず、不均一な流速分布やキャビテーションが発生しやすくなります。

D:上流側の直管部

上流側の直管部は、口径の5倍以上、不均一な流速分布や脈動が激しい場合は口径の20倍以上確保します。

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