加速度計測ノウハウ
加速度の計測精度に大きく影響する加速度センサとケーブルの固定方法について説明します。
加速度センサの固定方法
加速度センサの固定方法としては大きく分けて以下の5通りがあります。
1.ネジ固定
加速度センサの最も理想的な固定方法です。剛性を高めるために、通常は計測対象にグリースを薄く塗ってから、規定のトルクで締め付けて固定します。
2.セメント剤固定
測定対象にセメント剤を塗布し加速度センサを固定します。接着条件次第ではネジ固定に近い性能を得ることが可能です。特に測定対象にネジ穴を開けたくない場合に使用します。
軟性のセメント剤は加速度センサの有効周波数範囲をかなり減らしますので、通常はエポキシ系を使用します。
3.絶縁ワッシャ固定
加速度センサと計測対象を電気的に絶縁したい場合に使用します。固定条件次第でネジ固定に近い性能を得ることが可能です。
4.マグネット固定
計測対象の表面が磁性体の場合、簡単な固定方法として使用されます。
5.ハンドプローブ固定
ネジ固定ができないような狭い場所や、すばやく検査業務を行いたいときに使用される固定方法です。
非常に便利な方法ですが、測定誤差は大きくなります。
ケーブルの固定方法
ケーブルに関しては、加速度センサ接続部に無理な力が加わらないようにします。
また、大きく振動しないようにもします。
十分な計測結果が得られないばかりか、最悪の場合、ケーブルの断線やコネクタの破損につながる恐れがあります。
無理な力がかからないように、ケーブルは必ず固定します。