CANデータの解析
CANの信号線からは、接続されたデバイスが出力するさまざまな情報を取得することができます。ここでは、CANデータの解析に必要な知識であるCANデータのフォーマット、CANデータベースファイルについて説明します。
CANデータ解析の基礎知識について
シリアル通信プロトコル「CAN」の基本的な構造やデータ通信の仕組み、自動車における使用例などを理解すれば、いよいよデータ検証への活用のフェーズです。こちらでは、「実際にどのように導入すればよいのか」「設計や開発に利用すればよいのか」という疑問を解消するため、設計や解析をするうえで覚えておくべきCANデータ解析の基礎知識をご紹介します。
CANの適用範囲について
CANデータの解析に入る前に、まず適用範囲についてご説明します。CANには「標準フォーマット」「拡張フォーマット」などがありますが、それぞれには適用範囲があります。一般的に普通自動車では標準フォーマットが使用され、大型車では拡張フォーマットの「J1939」、産業機械ではCANをベースにした「CANopen」といったプロトコルが使用されています。このようにCANは自動車に限らず、産業機械やFA、農業機械、医療機器、鉄道、船舶、航空、宇宙などの幅広い分野で活用され、それぞれに合わせたプロトコルが使用されています。
CANデータの解析について
開発段階で繰り返し行う作業として「解析」が挙げられます。そこで一般的なCANデータの解析手順について解説していきます。CANはデジタルデータによる通信なので、まずは通信波形を取得する必要があります。その後、通信速度から1ビットの長さを調べ、波形データから「ドミナント」と「レセシブ」に置き換え、フレームに当てはめながら16進数に変換することで解析を行います。

たとえばCANデータ収集ユニット「NR-C512」を利用すれば、信号特性を確認することができます。高速CAN/低速CANに対応し、最大128メッセージ/ポート、最大512シグナル/ポートの送受信が可能です。
CANデータベースファイルの活用
CANデータベースファイルとは、フレームおよび信号の定義のための情報が含まれたファイルです。CANデータのシグナル値から工学単位に変換するルールが定義されています。一般的には「チャンネル名」「メッセージ内のチャンネル位置やビット数」「データタイプ」「範囲」「デフォルト値」「コメント」などの情報を利用して、シグナル値からkm/hやrpmのような実世界の数値に変換します。


このページのまとめQ&A
Q. CANデータ解析で最初に押さえるべき点は何ですか?
A. まずCANの適用範囲を理解し、標準/拡張など対象のフォーマットと使われるプロトコルを把握します。
Q. CANデータ解析の一般的な手順は何ですか?
A. 通信波形を取得し、通信速度からビット長を求め、波形をドミナント/レセシブに置換してフレーム化します。
Q. フレーム化後はどのように解析しますか?
A. フレームに当てはめて16進数へ変換し、メッセージ内容を読み解くことで通信データを解析します。
Q. CANデータベースファイルとは何ですか?
A. フレームや信号定義をまとめたファイルで、シグナル値を工学単位へ変換するルールが含まれます。
Q. データベースファイルで何ができるようになりますか?
A. 信号の位置やビット数などを基に、シグナル値をkm/hやrpmなど実世界の数値へ変換しやすくなります。
キーエンスのデータロガー
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NR-X シリーズ
マルチ入力データロガー
NR-Xシリーズは、“簡単操作・持ち運びのしやすさ・あらゆる計測シーンに対応”といったデータロガーに求められる機能を全て網羅した商品となります。クラス最小・最軽量の手のひらサイズでありながら、8種の計測ユニットに対応しており、最大576Chの多Ch計測も可能です。また従来、計測準備に最も時間がかかってた配線工数を、大幅に削減できる省配線システムにも対応。配線工数や配線ミス、断線時の復旧作業などを気にせずにご使用いただけます。もちろん、初めての方でも“かんたんに”操作できるよう、設定をサポートするヘルプ機能やひと目でわかるアイコンも採用しています。さらに、電源ユニットはAC・DC・バッテリーから選択でき、大容量リチウムイオンバッテリーで最長800分のデータ収集が可能。無線LANユニットも使用すれば計測する場所を選びません。





