パルス計測の仕組み
出力されたパルス信号から周波数や周期を計測する方法についてご説明します。
パルス信号から知る周波数や周期
自動車の車速や水道の流量、電気の使用量など、さまざまな測定現場に活用されているパルス信号。しかし、パルス信号のままでは「車速が何キロなのか」「水が何リットル流れたのか」「電気を何キロワット使ったのか」など具体的な数値は分かりません。パルス信号は機械的な変化をデジタル信号に変換しただけです。そのデータをもとに解析することで、初めて利用価値のあるデータとなります。
パルス信号と回転数の関係で、「ストロボスコープによる計測」「タコメーターによる計測」「光学機器による計測」などの回転数計測の基礎についてはご説明しましたので、こちらではより具体的に計測器ユニットやスペクトル・アナライザを使用して、出力されたパルス信号の周波数や周期を計測する方法についてご説明します。
パルスの基本的な計算方法
周波数とは、1秒間に何回振動したのか(パルス信号が出力されたのか)を示し、ヘルツ[Hz]という単位で表します。そして、パルス信号の1往復にかかった時間を周期と呼んでいます。周波数と周期は逆数の関係になっており、どちらかが分かれば計算で数値を求めることができます。
- 周波数と周期の計算式
- f=1/T
周波数 f [Hz]、周期 T [s]

一般的には高い周波数の場合は周波数を、低い周波数の場合は周期を計測します。また、一定時間内に発生したパルスを計測する方法を「ダイレクト方式」、周期を計測して周波数を計測する方法を「レシプロカル方式」と呼びます。
パルス計測における設定値
パルス計測を行ううえで欠かせない、「サンプリング周期」「入力周波数帯域」「測定内容」などの基本的な項目について解説します。
サンプリング周期
パルスを計測するサンプリングレートを「サンプリング周期」と呼び、単位は[S/s](サンプル・パー・セック)を用います。高速なサンプリング周期=サンプリングの間隔が狭いため、高速になればなるほど正確な波形を再現できます。サンプリング周期が低速の場合、「周期が短いパルスを検出できない」「正確なパルス幅を計測できない」などの問題も発生するので、最適なサンプリング周期の設定および機器選択が重要です。


入力周波数帯域
「DC~●MHz」のように記載される入力周波数帯域は、「●MHzのときに周波数特性が3dBまで減衰してもよい上限周波数」を表しています。パルスの立ち上がり時間に影響するため、測定精度などを考慮して計測器ユニットを選択しましょう。
測定可能な内容
入力されたパルスの周波数や周期のほか、パルス幅(high/low)、デューティ比、位相差幅なども重要な要素です。計測器ユニットを選ぶ際は、「周波数を知りたいのか」「周期を知りたいのか」「パルス幅を知りたいのか」のように、測定可能な内容を考慮し、求めているデータに合わせて選びましょう。

そのほかにもパルス入力の種類やチャンネル数、分解能、最小パルス幅、測定レンジ、パルスカウント測定可能範囲など、さまざまな項目があります。たとえば、複数のパルスを比較したいのであれば、それに見合ったチャンネル数の計測器ユニットが必要です。
このページのまとめQ&A
Q. パルス信号から周波数や周期を求める理由は何ですか?
A. パルスは機械的変化をデジタル化した信号で、そのままでは値が読めず、周波数や周期に変換して初めて意味を持つためです。
Q. 周波数と周期の関係はどうなっていますか?
A. 周波数は1秒間のパルス回数、周期は1回のパルス時間で、両者は互いに逆数の関係にあります。
Q. 周波数計測に使われる代表的な方式は何ですか?
A. 一定時間のパルス数を計測する「ダイレクト方式」と、周期から周波数を求める「レシプロカル方式」があります。
Q. パルス計測でサンプリング周期が重要な理由は何ですか?
A. 周期が短いパルスを正確に捉えるには高速サンプリングが必須で、遅いとパルス幅や周期を正しく計測できません。
Q. 計測器選定時に確認すべきポイントは何ですか?
A. 入力周波数帯域、測定内容(周波数・周期・幅)、チャンネル数や最小パルス幅などを用途に合わせて確認します。
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マルチ入力データロガー
NR-Xシリーズは、“簡単操作・持ち運びのしやすさ・あらゆる計測シーンに対応”といったデータロガーに求められる機能を全て網羅した商品となります。クラス最小・最軽量の手のひらサイズでありながら、8種の計測ユニットに対応しており、最大576Chの多Ch計測も可能です。また従来、計測準備に最も時間がかかってた配線工数を、大幅に削減できる省配線システムにも対応。配線工数や配線ミス、断線時の復旧作業などを気にせずにご使用いただけます。もちろん、初めての方でも“かんたんに”操作できるよう、設定をサポートするヘルプ機能やひと目でわかるアイコンも採用しています。さらに、電源ユニットはAC・DC・バッテリーから選択でき、大容量リチウムイオンバッテリーで最長800分のデータ収集が可能。無線LANユニットも使用すれば計測する場所を選びません。






