CANの特長
従来の配線方式に代わって用いられるようになったCANですが、ここではそのメリットと、他の通信方式に対するハード面、ソフト面での優位性について説明します。
CANを活用するメリット
シリアル通信プロトコル「CAN」を利用するメリットは、最小限の信号線で各種デバイスを接続できることです。また、もともと自動車向けに開発されたため、外部からのノイズに強いことも特長です。
配線を最小限に抑え、低コストを実現
前述のとおり、シリアル接続なので1本ないしは2本の信号線でデバイス同士を接続できます。通常のCANであれば2本の通信線で済むため、従来の通信方式に比べて大幅に配線を減らすことができます。そのため低コスト化は図れるほか、重量増を抑えられます。


外部からのノイズに強く、高い信頼性
自動車での使用を前提に開発された通信プロトコルなので、ノイズに強いといった特性があります。高速CAN(CAN-C、クラスC)では、2本の通信線に発生する電圧差の有無によってデータを送信する「2線式差動電圧方式」を採用。外部から加わるノイズは同一のため電圧差が起こらず、ノイズが発生しても影響を受けにくくなっています。


無駄のない、スムーズなデータ通信
ネットワーク上のデバイスを「ノード」、各ノードを接続する通信線を「バス」と呼びますが、CANは接続されたノードから平等にアクセスできる「マルチマスタ方式」を採用しています。そのためバスに空きがあれば、どのノードからでも通信を開始できます。また、通常は複数のノードからデータが集中すれば送信できなくなりますが、CANは優先順位の高いものを送信するメッセージ送信優先順位(アービトレーション)を行うので無駄なくスムーズな送信が可能です。
- マルチマスタ方式

- シングルマスタ方式

高速で確実なデータ共有
高速CANであれば最大1Mbpsの通信速度を実現し、さまざまなエラー検出メカニズムを実装しているので、ほぼ100%の確率で各種エラーを検出可能です。さらに、もし1つでも異常なデータ送信が発生すれば、すべてのデータを削除して再度すべてのノードにデータを送り、成功するまで繰り返す方式を採用。加えてアービトレーションやノイズ耐性によって高速かつ安全なデータ転送が行えます。
柔軟なシステム構築が可能
CANでは通信データの中に識別のためにIDを付けて送信する「メッセージ・アドレッシング」が行われます。そのため受信する側は、IDからデータの内容を判別することができます。車載ネットワークであればエンジン制御のデータをメーターやエアコンなどと同調させることが容易というわけです。柔軟なシステム構築に加え、データを全体で共有するため自己診断を一発で行えるなどのメリットがあります。
このページのまとめQ&A
Q. CANを活用する主なメリットは何ですか?
A. 最小限の信号線で接続でき、ノイズに強く、高速で信頼性の高い通信が実現できる点が大きな利点です。
Q. 配線面でCANが優れている理由は何ですか?
A. 2本の通信線で多くの機器を接続でき、従来方式のような大量配線を必要とせず、軽量化と低コスト化に貢献します。
Q. CANがノイズに強いのはなぜですか?
A. 差動電圧方式により、同じノイズが乗っても電圧差が変わらず、外乱の影響を受けにくい通信が可能だからです。
Q. メッセージ送信の効率が高い理由は何ですか?
A. マルチマスタ方式と優先度制御(アービトレーション)により、衝突時も優先メッセージが確実に送信されるためです。
Q. CANが柔軟なシステム構築に向く理由は何ですか?
A. 送信データにIDを付与する方式で機器間のデータ共有が容易になり、複雑な制御や診断機能を簡単に連携できます。
キーエンスのデータロガー
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NR-X シリーズ
マルチ入力データロガー
NR-Xシリーズは、“簡単操作・持ち運びのしやすさ・あらゆる計測シーンに対応”といったデータロガーに求められる機能を全て網羅した商品となります。クラス最小・最軽量の手のひらサイズでありながら、8種の計測ユニットに対応しており、最大576Chの多Ch計測も可能です。また従来、計測準備に最も時間がかかってた配線工数を、大幅に削減できる省配線システムにも対応。配線工数や配線ミス、断線時の復旧作業などを気にせずにご使用いただけます。もちろん、初めての方でも“かんたんに”操作できるよう、設定をサポートするヘルプ機能やひと目でわかるアイコンも採用しています。さらに、電源ユニットはAC・DC・バッテリーから選択でき、大容量リチウムイオンバッテリーで最長800分のデータ収集が可能。無線LANユニットも使用すれば計測する場所を選びません。





