レーザーマーキングとは?

マーキングの手法には「接触マーキング」と「非接触マーキング」の2種類があることはマーキングの種類のページでご説明しました。その中ではレーザー光を使って行う非接触マーキングの手法として「レーザーマーカー」についてご紹介しましたが、こちらではレーザーマーキングの基本的な原理や特徴、加工例などをご説明します。

レーザーマーキングの原理

レーザーマーキングは、対象物にレーザー光を照射して表面を溶かす、焦がす、剥離する、酸化させる、削る、変色させることでロゴや商品名、シリアル番号や型番などを印字する方法です。そんなレーザーマーキングは、「マスク式」と「スキャン式」の2種類に大別できます。

マスク方式

マスク方式

レーザー光を面で照射し、マスクを通過した部分のみが印字される方式です。高速・高解像度のマーキングが可能ですが、印字内容に合わせたマスクを用意する必要があります。そのため、様々なパターンの印字をする場合には手間やコストがかかるというデメリットがあります。

スキャン方式

スキャン方式

1点のレーザー光を照射して、一筆書きのように印字していく方式です。具体的には発振器から照射されたレーザー光をスキャニングミラーで走査して対象物に印字します。従来はXYの2軸制御だったため平面にしかレーザー光を走査できませんでしたが、現在ではZ軸のスキャニングミラーによって高さを制御し、あらゆる立体形状の対象物にマーキングできるレーザーマーカーも登場しています。

このスキャニングミラーはガルバノミラーとも呼ばれ、1個以上のミラーを使ってレーザー光を走査するシステムを「ガルバノスキャナ」「ガルバノスキャニングシステム」と言います。

現在では、様々な種類のマーキングするケースが増加し、またスキャニングレーザーの高速化によって弱点が補われたことで、自由度の高いスキャン式が一般的になっています。

レーザーマーキングの分類

レーザーマーキングでは、以下のような方法によって印字などを行います。

印刷面剥離
対象物の表面の塗装や印刷、メッキなどを剥離し、基材色とのコントラストを出すことで印字します。
アイスクリーム
アイスクリーム
印刷面剥離
印刷面剥離
ワーク表面の塗装や印刷を剥離させて基材色とのコントラストを出します
推奨機種
  • ハイブリッド レーザマーカ
  • MD-Xシリーズ
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表面層剥離
対象物の表面を削り、印字などを彫り込みます。一般的に刻印と言われている手法です。
ビデオテープ
ビデオテープ
表面層剥離
表面層剥離
ワーク表面層を削り、彫り込みます
推奨機種
  • ハイブリッド レーザマーカ
  • MD-Xシリーズ
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発色
レーザー光によって表面を焦がしたり、酸化させたり、変色させることで表面に印字などを行います。
配線器具
配線器具
発色
発色
ワークそのものが発色し、コントラストが出ます
推奨機種
  • UVレーザマーカ
  • MD-Uシリーズ
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発色の原理は4つに大別されます。

  1. 発泡
  2. 凝縮
  3. 炭化
  4. 化学変化

1.発泡

発泡

レーザー光を照射すると、その熱効果により基材内でガス泡が発生します。ガス化し蒸発した気泡が基材の表面層で封じ込められ、白っぽく隆起します。特に濃色の基材では、その視認性も良く、「薄い基材色」になります。

(例)基材色:
  • グレーに発色
  • ピンクに発色

2.凝縮

凝縮

「基材」にレーザーのエネルギーが吸収されると、その熱効果により分子密度が上がり、凝縮されて濃色に変色します。

3.炭化

炭化

さらに高いエネルギーを照射し続けると、「基材」周辺の素材の高分子が炭化して黒く発色します。

4.化学変化

化学変化

基材中の「顔料」の成分には、必ず金属イオンを含みます。レーザーの照射によって、このイオンの結晶構造の変化や結晶中の水和量が変化します。結果、その成分の組成そのものが化学的に変化し、顔料の濃度が増加することによって発色する現象が起こります。

レーザーマーキングのメリット

スタンプやラベル、刻印やプリントなどのマーキング方式と比較した場合のメリットについてご説明します。

高精度なマーキングが可能

ピンポイントでレーザー光を照射するので高精度なマーキングが可能です。小さな文字でも判別でき、確実な品質管理を実現できます。

消えない印字が可能

ラベルやプリントの場合、はがれたり、消えたりして印字の内容を識別できなくなってしまうこともありますが、レーザーマーキングなら消えてしまう心配もありません。

複数のマーキング方法が選べる

表面を溶かしたり、焦がしたり、メッキや塗装をはがしたり、酸化させたり、変色させたりと、様々なマーキング方法が選べます。適切なマーキング方法を選択すれば対象物の材質を選ばず、かつダメージを与えることなく印字できます。

マーキングの高速化が実現できる

高出力なレーザー光を利用するので、スピーディなマーキングができ、生産の効率化を実現できます。

レーザーマーキングの加工例

レーザーマーカーでは以下のような加工で印字を行います。また対象物の材質、加工方法に合わせてCO2レーザーやYVO4レーザー、YAGレーザーなどを選択します。

加工内容 主な対象物の材質
表面を溶かす 樹脂
表面を焦がす 紙・樹脂
表面層をはがす メッキを施した金属・印刷を施した紙
表面を酸化させる 金属
表面を削る ガラス・金属・樹脂
表面を変色させる 樹脂

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