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静電気測定器 / 静電気センサ

静電気の発生箇所や帯電量を正確に測定できる静電気測定器 / 静電気センサ。除電効果の確認や帯電量の定常的な管理に使用します。場所を選ばずに測定できるハンディタイプと、製造ラインを流れるワークの帯電量を常時測定できるインラインタイプをご用意しています。

静電気測定器 / 静電気センサ

商品ラインナップ

生産終了品

  • インラインタイプの静電気測定器は、製造ラインに設置してワークの帯電量を常時リアルタイムで測定できることが最大の特長です。リアルタイム監視によって従来の一時的な測定では発見できなかった、静電気起因の歩留まり低下やトラブルを未然に防ぎ、製造効率の向上に寄与します。また、測定データを活用した品質管理やトレーサビリティの強化も実現できるため、製造現場の高度なニーズに応えることができます。インライン設置による連続監視と高精度測定の両立が、先端技術の製造現場での信頼性向上に貢献しています。

    ワーク帯電量のリアルタイム監視が求められる理由

    静電気を数値化するために、まずエントリーモデルのハンディタイプが選ばれます。
    傾向値は捉えられますが、高速で動くワークの状態や朝夕などの環境変化、品種違いによる帯電量の変化を把握することが困難です。
    装置導入やメンテナンスなどのタイミングでの確認は合格したとしても、なぜか静電気起因と想定される歩留まりが改善しないケースが増えてきています。
    リアルタイムでの測定が、先端装置の製造効率を劇的に改善します。

    詳しくは、カタログ(PDF)をダウンロードしてご覧ください。

    ハンディ測定器で傾向値管理

    Before

    インライン測定器で常時測定

    After

    収集データは各種通信ネットワークで簡単に見える化

    対象物の静電気量や周囲の温湿度データを収集し、出力するために独立3出力判定とアナログ電圧・電流出力を標準搭載。
    また、通信ユニットを使用することで、親機・子機で連結された最大8台のデータを一括送信できます。
    PCやPLCからデータの読み出しや設定値の書き換えを行うことができるので、大幅な工数削減につながります。

    詳しくは、カタログ(PDF)をダウンロードしてご覧ください。
    SK シリーズ - 高精度インライン静電気測定器
  • SK-H シリーズ

    ハンディタイプの静電気測定器は、静電気の帯電状態を数値化するためのエントリーモデルとして広く活用されています。温度や湿度の測定も可能で、環境条件と静電気の関係を総合的に把握することができます。さらに、除電速度やイオンバランスといったイオナイザの除電能力の評価も可能です。これにより、イオナイザの効果的な運用やメンテナンスが促進され、静電気トラブルの予防に貢献します。手持ちでの測定が可能なため、場所を選ばず柔軟に測定でき、現場の多様なニーズに対応できる点も大きなメリットです。

    静電気 + 湿度同時計測

    静電気と湿度を同時に計測することで、静電気によるトラブルが発生しやすいポイントかどうかがより詳しく把握できるため、最適な静電気対策を検討することができます。また、「装置周辺」は温度が高いため、「室内の端」と比較して湿度が低くなることがあります。部屋全体で湿度をコントロールしているにもかかわらず静電気トラブルが収まらない場合は、「装置周辺」の湿度を確認することでトラブル解決につなげられることもあります。

    詳しくは、カタログ(PDF)をダウンロードしてご覧ください。
    温度と静電気発生量の関係(代表例)
    「室内の端」と「装着周辺」による湿度差の一例

    イオナイザの除電能力・経年劣化が分かる

    イオナイザの除電能力を示す「除電速度」と「イオンバランス」を測定できるチャージプレートモニタ機能を搭載しました。
    ご使用中のイオナイザの除電能力や経年劣化が手軽に分かります。
    ※ 別売のイオナイザモニタユニットSK-H055が必要です。

    詳しくは、カタログ(PDF)をダウンロードしてご覧ください。
    SK-H シリーズ - 静電気測定器

静電気測定器 / 静電気センサは「表面電位計」または「静電電位測定器」とも呼ばれ、静電気の量を調べる専用の測定器です。導体に帯電体を近づけると互いに引き寄せ合う静電誘導現象を利用し、静電気の量を測定します。測定は非接触で行い、測定したいワークに向けるだけで静電気の量を測ることができます。
静電気測定器 / 静電気センサの構造は、測定対象物に向けるセンサ部と、センサ部から得た信号を計算し表示するアンプ部で構成されています。また、この両方が一体になったハンディタイプもあります。

センサ部とアンプ部
ハンディタイプ型

静電気測定器 / 静電気センサの測定原理

静電気測定器 / 静電気センサには電界強度を測定する検出電極があり、帯電しているワークからの電界強度を受けると検出電極に誘導電荷が発生します。誘導電荷によって電流が発生し、その電流を交流電圧信号に変換して、この交流信号から帯電電位を検出します。
静電気測定器 / 静電気センサは、測定するワークまでの距離が遠いと測定値が小さくなり、近いと大きくなります(距離依存性)。また、検出範囲よりもワークが大きい場合は正確に測定することができますが、小さいときは測定値が小さくなります(被測定対象物の大きさ依存性)。

キーエンスの静電気測定器 SK-300/3000シリーズは、距離による誤差を自動で補正する距離補正機能を備えており、アンプに設置距離を入力することで、かんたんに測定誤差を補正することができます。

静電気測定器 / 静電気センサのメリット1:ピンポイントで静電気を測定できる

同じ室内でも、静電気の強さは位置によって異なります。さらに、個々の部品の帯電量も異なります。ハンディタイプの静電気測定器 / 静電気センサなら、必要なときに測定したい部分をピンポイントで測定し、正確な静電気量を把握することができます。

部屋全体を除電していても、たとえば組立作業での摩擦や剥離・接触によって部品が帯電します。部品が帯電すると、静電気によりホコリや粒子状のゴミが引き寄せられて付着します。ゴミが付着した状態の部品が、そのまま次の工程へ流れていくと、製品にゴミが混入してしまいます。
この場合、組み立てる部品の帯電量をハンディタイプの静電気測定器 / 静電気センサで測定します。そして、帯電量が許容値を上回る場合は、ゴミが付着する可能性が高いため、除電器(イオナイザ)で除電するなどの静電気対策を採ります。このように、ハンディタイプの静電気測定器 / 静電気センサを使うと、ゴミの付着や混入を未然に防ぐことが可能になります。

静電気測定器 / 静電気センサのメリット2:複数箇所の静電気を測定できる

製造ラインで効果的な静電気対策を行うには、摩擦や剥離・接触によって各所で発生する静電気を正確に測定する必要があります。複数台の静電気測定器 / 静電気センサを設置することで、各所に発生する静電気を測定することができます。

静電気の発生は、摩擦や剥離・接触が原因であるため、製造工程の各所で発生します。製造ラインに多くの静電気測定器 / 静電気センサを設置し、各所で発生する静電気を正確に測定することで、除電器(イオナイザ)を制御したり除電効果を確認することができます。また、静電気測定を継続し蓄積したデータを解析することで、たとえば気候変動による湿度の変化と静電気量の関係を把握し、新たに静電気対策が必要な箇所を発見することも可能です。
このように、製造ライン各所の静電気を測定することで、トラブルを防ぐだけでなく除電器(イオナイザ)の効果や、現在の静電気対策の状況を確認することができます。

静電気測定器 / 静電気センサのメリット3:静電気と湿度が同時に測定できる

湿度と静電気の間に密接な関係があることは知られていますが、その関係を明確にすることは困難です。湿度と静電気を同時に測定できる静電気測定器 / 静電気センサなら、その関係を正確に把握することができます。

静電気は、湿度が60%RHを超えると発生しにくくなります。また、温度が変化すると湿度も変化するため、同じ室内でも場所により湿度は異なります。たとえば、一般に、製造装置周辺は比較的温度が高いため、湿度が低くなる傾向があります。したがって、湿度は空間全体を測定するのではなく、測定対象物があるポイントの湿度をベストな状態に保つことが重要です。
静電気測定器 / 静電気センサで静電気と湿度を同時に測定することで、空気が乾燥しているなど静電気によるトラブルが発生しやすい箇所かどうかを明確にすることができます。そしてこれらのデータを基に、帯電の予防対策や除電器(イオナイザ)による除電対策など、最適な静電気対策を検討することができます。

静電気測定器 / 静電気センサの業界別導入事例

食料品・医薬品業界

食料品・医薬品業界で特に注意が必要な静電気トラブルには「飛び出し」があります。たとえば、錠剤をパーツフィーダなどで搬送すると、ガイドレールで摩擦帯電します。帯電したフィルムと錠剤が反発するとポケットから飛び出してしまいます。画像処理や画像判定センサによる検査では不良防止は不可能で、トラブルのたびに製造ラインを停止したり不良品を取り除いたりする作業が必要であるため、稼働率が低下します。
インラインタイプの静電気測定器 SK-300/3000シリーズでパーツフィーダなどの搬送工程の静電気を測定し、測定値が上限に達した時点で除電器(イオナイザ)を起動し静電気を除去することで、トラブルを防止することができます。

電気機器業界

電気機器業界で特に注意が必要な静電気トラブルに、「静電破壊(ESD破壊)」があります。たとえば、セル工程の作業で基板洗浄スプレーを噴き付けたあと、作業者(リストストラップで接地している)が基板を持ち上げると、作業者と基板との間で放電して、実装されているIC部品が破損することがあります。これは、基板洗浄スプレーによって基板が帯電したためです。アース(接地)をとるなどの対策が考えられますが、アースは絶縁体に効果がありません。
ハンディタイプの静電気測定器 SK-Hシリーズで基板の静電気を測定し、帯電しているようであれば除電器(イオナイザ)で除電することで、放電を防止することができます。これにより、セル工程での静電気対策効果を上げ、歩留まりを向上させることができます。

自動車業界

自動車の塗装工程で特に注意が必要な静電気トラブルには、「ホコリやゴミの付着」があります。成形後のバンパーは帯電しているため、塗装工程へ搬送する途中にホコリなどのゴミが付着します。付着したゴミは静電気により強く貼り付いているため、外力を与えないと取れません。また、エアブローなどで除去しても再付着します。そして、ゴミが付着している状態で塗装すると、塗装ムラや凹凸が発生します。
インラインタイプの静電気測定器 SK-300/3000シリーズで成形後のバンパーの静電気を測定し、測定値が上限に達した場合は除電器(イオナイザ)を起動し静電気を除去します。これにより、エアブローで除去したゴミやホコリの再付着を防止することができます。同時に、静電気による塗料の吹付ムラを防ぐこともできます。

Q.
なぜ、静電気を測定しなければならないのでしょうか?
A.
静電気は、ホコリなどの異物の付着や搬送トラブル、静電破壊(ESD破壊)、電子機器・装置の誤作動、塗布・印字トラブルの原因になります。たとえば、異物付着は、異物混入による不良品の原因になります。また、搬送トラブルは包装不良やチョコ停による稼働率の低下、静電破壊は歩留まりの悪化や静電破壊による電子部品破損コストの発生などの原因になります。
このようなトラブルを未然に防ぐには、インラインでは静電気が発生する箇所に静電気測定器 / 静電気センサを設置し常に静電気を測定、静電気の発生箇所は除電器(イオナイザ)で除電します。また、オフラインでも部品や装置の静電気をピンポイントで測定し、除電器(イオナイザ)で除電することで、効率的な静電気対策が実現します。
Q.
なぜ静電気があると異物が付着するのでしょうか?
A.
導体の場合、帯電した物質(異物やホコリ)が近づくと導体の中で静電誘導が発生し、表面が帯電したような状態になります。この静電誘導による電位と異物やホコリなどの静電気によって、引き寄せあう力(クーロン力)が発生し付着します。このとき、付着する力の強さは対象物が導体なのか絶縁体なのかによって異なります。
たとえば、フィルムやシート材など、表面積/質量の比が大きい絶縁体の場合、クーロン力はその物体に作用する重量よりはるかに大きくなります。また、湿度によって静電気の大きさは変わります。このため、静電気による異物付着を防止するには、静電気と同時に、湿度の測定も重要です。
Q.
静電破壊はどのようなメカニズムで発生するのでしょうか?
A.
静電破壊(ESD破壊)は、帯電した電子部品が接地または接地された導体に接触したときに発生します。帯電した電子部品が接地された導体に接触すると、電子部品内部の回路に急激な電流が流れます。そして、この電流の流れにより電子部品内部回路の配線が溶けて、ショートや断線が発生します。
静電破壊の原因には、静電気を帯びた人からの放電(人体帯電モデル)や金属体・導電体からの放電(マシンモデル)、デバイス自身の帯電(デバイス帯電モデル)などがあり、これらによるトラブルを避けるためにも、その原因となる物体の静電気測定は必要であるといえます。

製造現場の見えない恐怖、静電気。発生のメカニズムや帯電のしくみ、障害例を学ぶことで効果的な対策を。用語集や業界別導入事例もあり、現場で役立つ情報が満載です。

  • 静電気が発生するメカニズムや性質、電撃の強さ、アースとの関係といった基礎知識から、静電気トラブルの対策までをわかりやすく紹介。これから静電気対策をされる方や、さらなる対策をお考えの方にとって必読の1冊です。

    静電気の教科書
  • 静電気測定にとって静電気の特性を知ることは重要です。この冊子では、静電気の絶縁体への帯電特性や、測定距離と測定値の関係、測定距離と測定範囲の関係など、静電気測定に欠かせない情報をイラストを交えてわかりやすく解説しています。

    静電気測定のコツ
  • 静電気の発生や性質、異物付着の原理からトラブル対策まで、静電気に関する質問を集めた基礎知識編です。静電気や静電気対策について、イラストを交えて詳しく解説していますので、静電気に関する知識がない方でも理解しやすい内容になっています。

    静電気Q&A 基礎知識編
  • 実際にあった静電気によるトラブル例を挙げ、その対策法をご紹介。電子部品業界、食品・薬品業界、紙・繊維業界、金属業界に分類しています。各業界で、静電気対策に従事する方、必見の技術資料です。

    業界別 静電気対策事例集
  • 主なFAネットワークに対応した静電気測定器 SKシリーズをネットワーク化によりさらに活用の幅を広げる情報を掲載。多彩な出力仕様やリアルタイム監視で効果を見える化できるなど、ネットワーク化によるメリットを紹介しています。

    SKシリーズ 静電気測定器をネットワーク化するメリット