画像処理システム
複雑な検査も安定・高速処理する画像処理システム。処理速度を追求したハイスペックなコントローラの他、AIを搭載したスマートカメラ、特殊撮像による高度な検査を実現する照明やレンズ・カメラ・2D/3Dロボットビジョン・専用データベースなど、画像処理システムのフルラインナップを紹介します。

用途から画像処理システム・画像センサを選ぶ
商品ラインナップ
生産終了品
画像処理システム
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VS シリーズ
VSシリーズは製造現場でのシンプルな検査から本格的プログラムが必要な検査まで、あらゆる検査アプリケーションを最短の時間で解決が出来るマシンビジョンです。業界初の光学ズーム機能によるソフトでの“1クリック”最適画作り機能、AIもルールベースも使える豊富な検査ツール、これらに加え検査プログラムをスピーディーに設定が出来るソフトにより、最短の時間で最適なビジョンシステムの構築を実現します。
1クリックで最適な画作り
世界初、解像度の落ちない光学系「ZoomTrax」を搭載。
VSシリーズは、フォーカスも視野も、ソフトだけで完璧に調整します。
広視野から狭視野までこれ一台でフィット。レンズ選定も交換も不要です。AIとルールベース、どちらも手軽に使える
AIもルールベースも、得意・不得意がありました。
VSシリーズは、あらゆる検査に対して適材適所にAIとルールベースを使用可能。
最速で解決に導きます。 -
XG-X シリーズ
14コアを搭載した画像処理システム XG-Xシリーズは、すべてのカメラや照明を連携・融合し、複雑な検査も安定して高速処理します。DSP+CPUのコア数増加だけでなく、それらの能力を最大限に発揮する高度な並列処理により、安定性と高速処理を両立。それにより、高速かつ高度な処理が必要なインライン検査にも1台でスムーズに対応します。たとえば、高画素6400万画素カラーカメラやラインスキャンカメラ、3次元検査用カメラを複数台接続した場合でも余裕を持った処理が可能です。また、画像データから最適な輪郭特徴を自動設定することで検査の安定性を高める強力なサーチツール「ShapeTrax™3」を搭載。さらに、PC設定ソフトVisionEditorを併用することで、PCと画像処理コントローラの両方で、簡単かつ自由度の高い設定作成・編集が可能となりました。
最大14コアによる、安定した高速処理を実現
従来より大幅に画像処理性能が向上しています。
XG-Xシリーズでは常にすべてのコアが最大限活用されるようにチューニング。
ユーザーが使い方やモードを意識する必要は無く、常に能力をフル活用できます。さまざまなフィルタで検出に最適な画像を取得前処理フィルタ
ワークの状態や外部環境に起因する条件変化を劇的に改善する前処理を搭載。
安定度向上、誤検知によるムダばね低減を実現しました。 -
3D VGR シリーズ
キーエンスの3Dロボットビジョンは、圧倒的な検出能力と使い勝手を実現したロボットビジョンシステムです。死角をつくらない専用設計の4カメラ1プロジェクターの一体型カメラと、136枚の取得画像から最適解を0.5秒で算出する新開発3Dサーチの搭載で圧倒的な検出能力を実現。複数枚のストライプパターンを高速投影し、超高速CMOSと高速プロセッサがリアルタイムに解析することで3次元画像を生成します。経路生成ツールは、周辺設備干渉やロボット姿勢を考慮してロボット動作を自動算出し、プログラミング工数を大幅に削減します。また、ピッキングシミュレーターで、ピッキング個数や成功率をシミュレートできるため、必要なハンド形状やレイアウトを事前に検証し、無駄な手戻りやトラブルを未然に防ぐことができます。
4カメラ1プロジェクターの一体型カメラによる圧倒的な検出能力
3Dロボットビジョン用途に特化した4カメラ1プロジェクター一体型カメラは、4つのカメラで異なる角度から撮像することにより、死角のない安定した3次元画像の生成が可能です。高画素・高精細・低ノイズのイメージセンサ(高精細CMOS センサ)を搭載し、圧倒的な検出性能を実現しました。プロジェクターは、高輝度LEDや高解像プロジェクター素子を採用した専用設計で、高精度な3次元画像の生成を可能にしています。また、新採用の高速プロセッサによる超高速3次元演算と、高精度で高速性・ロバスト性に優れた新開発のアルゴリズム「3Dサーチ」によって、136枚の画像から1枚の3次元画像を高速生成することができます。
A:プロジェクター B:カメラ
ロボット動作のシミュレーションをPCで実現
周辺設備との干渉やロボットの姿勢を考慮して、最適なロボット動作を自動算出する「経路生成ツール」を搭載。特異点にならない姿勢や周辺設備との衝突を避けるロボット経路を算出できるため、複雑なロボットプログラムが不要となり、プログラミング工数の大幅削減と安定稼働を実現します。また、PC上で「ピッキングシミュレーター」を使って、現場構成の最適化が可能です。たとえば、箱の隅にあるワークを取り出すために必要なハンド形状やレイアウトを事前検証することで、立ち上げ時の無駄な手戻りやトラブルを防ぐことができたり、把持などの最適な設定を事前に追求したりできるため、立ち上げ後のピック成功率が大幅に向上します。
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2D VGR シリーズ
キーエンスの2Dロボットビジョンは、ロボットメーカーを選ぶだけの簡単接続をはじめ、ロボットビジョン専用のインターフェースやオートキャリブレーション、強力なサーチツールを備えた、2Dロボットビジョンの世界標準機です。目的のアイコンを選んでいくインターフェースは、標準的なピック・プレース・つかみズレ補正以外にもさまざまな動作に対応し、設定を大幅に簡易化。また、ロボットとの高い接続性・親和性を誇り、ロボットメーカー名を選択するだけで各社の標準コントローラと接続可能です。また、移動パターンを選択して実行を押すだけで自動的にキャリブレーションが完了します。さらに、抜群の対応力と安定運用を可能とするサーチツールにShapeTrax™3を採用。新開発の自動特徴抽出アルゴリズムで高精度なロボットビジョンシステムが実現します。
相手を選ばない抜群の親和性
ロボットのメーカー名を選択するだけで各社の標準コントローラと直結接続可能です。画像センサをロボットビジョンとしてセットアップするためのロボットプログラムは、キーエンスが提供します。もちろん、自作コントローラなどを使用する場合のカスタム設定にも対応しています。画像センサとロボットのシームレスな操作が可能となり、工程によって異なるロボットを使用している場合でも、同じインターフェースでロボットビジョンシステムを設定することができます。
主な対応ロボットメーカー:ABB / DAIHEN / DENSO / EPSON / HIRATA / FANUC / IAI / JANOME / KAWASAKI / KUKA / MITSUBISHI / NACHI / STAUBLI / SHIBAURA MACHINE / UNIVERSAL ROBOTS / YAMAHA / YASKAWA MOTOMAN抜群の対応力と安定運用を実現
従来は面倒だったキャリブレーションがワンクリックで完了する「オートキャリブレーション」を搭載。誰が操作しても同じ精度で確実な立ち上げが可能です。他にも直感的に動作フローを指定するだけで、自動的にロボットメーカー各社の言語でロボットプログラムを作成することができる「サンプルプログラム作成機能」などプログラミング工数を削減する機能を搭載しています。さらに、画像処理システム/画像センサで数多くの実績を誇るキーエンスが独自開発した強力なサーチツール「ShapeTraxTM3」を搭載。ロボット運用中に撮像状態が登録時から変化しても、正確に輪郭形状をサーチすることができる新開発のアルゴリズムが、安定した運用を実現します。もちろん、文字認識・外観検査・品種判別など各種検査にも安定して対応することができます。
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Line Scan シリーズ
ラインスキャンカメラは、これまで目視でしか検査できなかった微細欠陥(傷・凹み・汚れ)を確実に抽出し、検査の自動化を実現する画像処理システムです。1回の撮像で、さまざまな画像を生成し、線傷・汚れ・くすみ・打痕といった微細欠陥を抽出して検査することができます。最速142800ライン/秒撮像のラインスキャンカメラと、専用の高速縞パターン発光LED照明、そして新開発の外観検査アルゴリズムLumiTrax™正反射モードを使用することで、これまで見えなかった微細欠陥も、ライン上で安定して検査することができます。また、高速処理が可能なため、タクトタイムの大幅な改善で生産性向上に貢献します。
微細な欠陥も確実に抽出
従来は、光の照射角度で見え隠れするような浅い傷など微細欠陥の検査は自動化が困難で、目視検査の必要がありました。しかし、目視検査では人によるバラつきや見逃しも発生し、大量生産の現場では全数検査も困難でした。ラインスキャンカメラを導入することで、光沢があるワークやヘアライン上であっても微細欠陥検査の自動化が可能です。1回の撮像でノーマル画像のほか、正反射画像・光沢比画像・拡散画像・形状画像といったさまざまな画作りが可能であるため、多種多様な表面を持つワークのさまざまな微細欠陥を確実に抽出することができます。
ノーマル画像
正反射画像(線傷)
拡散反射画像(汚れ)
光沢比画像(くすみ)
形状画像(打痕)
抽出した微細欠陥を安定検査
従来は難易度が高かった、条件が異なる欠陥の複合的な検査や複雑形状のワークに対する検査にも、微細欠陥検出アルゴリズムを活用することにより、安定して対応することができます。たとえば、LumiTraxTM正反射モードによって生成された複数の画像データから、複数の画像を画面上でクリックするだけで、簡単に良品箇所と欠陥箇所の切り出しが可能になります。複数の撮像条件で得られた画像データを用いているため、検査項目とする欠陥の特性に合わせた抽出が可能です。
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3D Vision シリーズ
3次元画像処理システムは、高機能なプロジェクター一体型の3Dカメラ(XTカメラ)で構成する、次世代型の画像処理システムです。ライン上で最大60.2×60.2mmの測定エリア内全域の3Dおよび2D外観検査や実寸での3次元寸法計測など、複数の高度な検査項目の一括実施が可能です。繰り返し精度1μm・検査間隔0.6秒を実現し、高精度で高速なインライン検査を安定して行うことができます。XTカメラは、4投光RGBプロジェクターや大口径テレセントリックレンズ、944万画素CMOS撮像素子を搭載し、3D検査に適した撮像とヘッド内並列処理による高速化を実現。また、多彩な検査アルゴリズムやツールを使って高度な検査項目も簡単に設定可能です。1台で検査精度とタクトタイムの飛躍的な向上が実現します。
4投光RGBプロジェクターが死角をなくし、視野全域を安定検査
XTカメラは、広視野・高精度・高速処理を実現したプロジェクター一体型の3次元カメラです。搭載した4投光RGBプロジェクターを高速制御し、60.2×60.2mmの測定エリア全体に複数の縞パターンを多方向から照射。それにより、複雑形状のワークでも死角なく3次元形状の計測や外観検査を安定して実施することができます。また、従来は複数のカメラや照明を設置した煩雑なシステムでも高度な検査が困難な場合がありました。一方、XTカメラならラインの直上に1台設置するだけで広視野に対して高度な2次元+3次元検査が実現できます。シンプルで設置性の高いシステムであるため、ラインの立ち上げや段取り替えにもスピーディかつ柔軟に対応することができます。また、検査間隔0.6秒の高速性を実現しているため、ライン速度・タクトタイムへの影響を抑えることができます。
A:944万画素CMOS撮像素子 B:大口径テレセントリックレンズ C:ヘッド内並列処理 D:4投光RGBプロジェクター
高性能テレセントリックレンズによる”実寸”での高精度検査
繰り返し精度1μmを誇るXTカメラは、高精度な大口径テレセントリックレンズを搭載しています。画角の影響を抑えることができるため、視野全域において位置の違いによる値のズレなどが生じません。それにより、対象物の寸法の値を“ 実寸” で正確に捉えることが可能です。高精度な3次元寸法計測による高さ・傾き・体積などの実寸値での検査だけではなく、任意の段差でのプロファイル計測も実現します。
巻き線の外観・寸法検査
かしめ寸法検査
はんだの外観検査
樹脂成型品の外観検査
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VJ シリーズ
PCベース マシンビジョン向けGigEカメラ・照明 VJシリーズは、GigE対応のカメラ・高機能照明・イメージプロセッシングユニットをお手持ちのPCベース環境に簡単に導入でき、従来は不可能だった高度な同期・撮像・前処理技術の活用を可能にします。LumiTrax™照明やマルチスペクトル照明、パターンプロジェクション照明、ラインスキャンカメラ+LumiTrax™正反射照明、高精度3Dカメラ、ロボットビジョン対応3Dカメラでの高度な検査をPCへの負荷なく既存のシステムに融合。ソフト開発環境はGenICamに対応し、HALCON / LabVIEW / VisionPro / OpenCV / NeuroCheck / Common Vision Blox / Matrox Imaging Library(MIL)など主要なソフトウェアに対応します。
使い慣れたシステムとの優れた融合性
VJシリーズのPCベースマシンビジョン向けGigEカメラ・高機能照明は、ソフト開発環境GenICamに対応し、代表的なPCソフトウェア環境とのスムーズな融合を実現。既存環境はそのままにVJ シリーズでの特殊撮影・前処理を導入することができます。カメラ・照明の高度かつ高速な同期制御による撮像、それをイメージプロセッシングユニットで前処理した画像が出力されるため、PCに負荷をかけることなく検査に最適な画像を得ることができます。また、NBASE-T(2.5G)通信規格にも対応していているため、大容量画像の高速転送が可能です。また、各種画像処理ライブラリでの画像取り込みにも対応しています。
GigEカメラ・高機能照明を高速制御
VJシリーズのGigEカメラや高機能照明は、従来の画像検査の課題を解決すべくキーエンスが開発した特殊撮影技術を既存環境に導入することができます。8色LED照明を高速制御して微妙な色差判別も可能な「マルチスペクトル照明」や、照明点灯方向を高速制御して凹凸や模様の変化を抽出する「LumiTrax™照明」、縞パターン発光の高速制御とラインスキャンカメラで微細欠陥を抽出する「LumiTrax™正反射照明」、2D+3D検査を同時に実現する「パターンプロジェクション照明」。他にも視野全域を高精度に3D撮像し実寸計測が可能な照明一体型3Dカメラ「XTカメラ」や、4カメラ+1プロジェクターであらゆるワークの広範囲3D検査に対応する「広視野エリアスキャン3Dカメラ」といった最新の特殊撮影技術をスムーズに導入可能です。
マルチスペクトル照明
LumiTrax™照明
LumiTrax™正反射照明
パターンプロジェクション照明
高精度エリアスキャン3Dカメラ
広視野エリアスキャン3Dカメラ
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XG-8000 シリーズ
画像処理システム XG-8000シリーズは、メインDSPに3つのコアを持つマルチコアDSPを搭載し並列演算による高速処理が可能です。高い汎用性を持ち、長期にわたって使い続けることのできる標準機です。エリアカメラやラインスキャンカメラ、3次元カメラなどの豊富なカメララインナップに対応します。また、高度な検査を可能にするアルゴリズムを備えています。コントローラは能力の異なる豊富なラインナップを取り揃え、必要とする画像処理にぴったりな仕様を選択することができます。さらに、あらゆるシーンを想定したユーザーインターフェースは、誰でも使える簡単操作を実現しました。カメラ・照明、検査アルゴリズムの融合により新たな撮像方法を実現するLumiTrax™機能や、安定したサーチアルゴリズムShapeTrax™2などを搭載し、あらゆるワークや条件に対して抜群の安定性と対応力を発揮します。
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XG-7000 シリーズ
画像処理システム XG-7000シリーズは、31~500万画素のエリアカメラを全14種類ラインナップ。さまざまな検査を可能にするアルゴリズムを備えています。また、あらゆるシーンを想定したユーザーインターフェースは、誰でも使える簡単操作を実現しました。専用タッチパネルを使うことで操作性をさらに向上させることができます。カメラ・照明、検査アルゴリズムの融合により、安定したサーチアルゴリズムShapeTrax™2などを搭載し、さまざまなワークや条件に対して抜群の安定性と対応力を発揮します。
照明
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CA-D シリーズ
画像処理用LED照明 CA-Dシリーズは、リング照明やバー照明、ドーム照明、マルチアングル照明など豊富なラインナップを誇り、多種多様な撮像条件や画像処理、検査目的に対応することができます。また、次世代の画像処理を実現する高機能照明も充実。背景のハレーションや模様の影響を受けない外観検査を実現するLumiTrax™照明、8色照明とアルゴリズムの融合で微妙な色差判別も可能なマルチスペクトル照明、多方向からのパターン投影で3次元検査を可能とするパターンプロジェクション照明をラインナップ。高機能照明は制御ICを搭載し、カメラやコントローラと完全同期することで、高度な画像処理をスムーズに実現します。
レンズ(画像処理システム用)
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CA-L シリーズ
画像処理用レンズ CA-Lシリーズは、豊富なラインナップから目的に応じたタイプを選択でき、カメラや照明、コントローラ、検査アルゴリズムのポテンシャルを最大限に引き出します。4/3型2100万画素カメラやコンパクトな2/3型、そして小型カメラ用など使用するカメラに応じて選択可能です。また、深度の高いテレセントリックマクロレンズや歪みに強い低ディストーションレンズなど、高解像度での撮像や高度な画像処理のニーズに対応するレンズも多数ご用意しています。また、偏光フィルタや特定の波長の光をカットするフィルタ、オイルミストや粉塵、加工くずなどからレンズを守る保護フィルタなども取り揃えています。
Vision Database
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VisionDatabase シリーズ
画像センサ専用データベース VisionDatabaseシリーズは、キーエンスの画像センサとつなぐだけで、低コストで誰でも簡単に本格的な画像検査データベースの構築を可能にします。面倒な設定や専門知識は一切不要。FAの現場での利便性を追求したデータベースで、さまざまな条件検索で検査結果と画像を簡単に見つけることができます。また、外部データとの紐づけや、画像データと読み取った内容を合わせて管理することができます。そのため、蓄積したデータを活用した高度な分析が実現します。さらに、レポート作成機能の活用で、状況分析や共有もスムーズに行うことができます。
長期にわたる画像保存
VisionDatabaseシリーズは、長期間の保存・運用に対応しています。長期間かつ大容量のデータ管理が可能です。運用中に検査設定や出力項目に変更があっても、自動的に追従します。FA仕様の専用ストレージVisionDataStorageは、画像センサコントローラと同様に生産現場の環境に耐え、安定した長期運用を可能とします。日付検索はもちろん、複数条件での検索が可能。目的の検査結果と画像に簡単にたどり着けます。さらに、VisionDataStorageと組み合わせることで、常に最新の検査結果が反映されるため、大量のデータに対してもスムーズな検索が可能です。
日時で検索
検査当時の画像データと検査結果を確認
誰でも簡単にシステム構築
VisionDatabaseシリーズは、設定から操作・メンテナンス・運用まで誰でも簡単に生産現場の即戦力となるシステムを構築することができます。データ収集においては、計測結果データと同時に運転画面のキャプチャー画像も保存でき、シリアル番号などの外部データと紐づけての保存も可能です。データ活用・解析では、データベース上で収集したデータの統計解析ができる「解析機能」や、不良要因や製品ごとのデータ検索がスムーズになる「データ分類・ピン機能」などが使用できます。またストレージ(VisionDataStorage)を連携することで、必要な項目を選択するだけで簡単にデータをレポート出力できる「レポート出力機能」を使用することができます。さらに、「自動設定バックアップ機能」や「定期自動削除機能」など運用サポート機能も充実しています。
画像・計測データ紐づけ、画面キャプチャー保存
統計解析機能
その他オプション
画像処理システムとは、カメラで撮像した画像データをコントローラ(画像処理装置)に送り、画像データの中から対象物の変化・特徴量などを抽出して特徴を強調し、演算・計測・判定など行うインライン検査装置のことです。
FAにおいては、ワークに傷や汚れなどがないかをチェックする外観検査や有無判別、異品混在検査、形状判別、寸法計測、コードや文字の認識・検査などさまざまな検査を自動化することができます。
カメラには、エリアカメラ・ラインスキャンカメラ・3次元カメラなどの種類があり、ワークや用途によって使用する照明や撮像、画像処理の原理も異なります。カメラによっては内蔵のプロセッサを使って出力する画像に前処理の一部を実行して、画像処理の高速化を図るものもあります。
また、マシンビジョン(ロボットビジョン)は、機械の「目」としてカメラで撮像を行います。たとえば、ワークを箱から正確にピッキングする際に重要な役割を担います。マシンビジョンの導入・設定・運用では、画像処理システムがロボットや装置の動作と直接関わるため、装置やロボットのメーカーによって異なるプログラムとの親和性が重要なポイントとなります。
画像処理システムの原理・仕組み
画像処理システムは用途や使用する機器の種類によってさまざまですが、一般的にはカメラや照明とコントローラ(画像処理装置)によって構成されています。画像処理システムを使って検査をするための原理を撮像から検査結果の出力までの手順に沿って概略図とともに説明します。

1.撮像
対象物に照明で光を照射すると同時に、レンズを通してカメラのCMOS(イメージセンサ)で受光・結像し、画像データをコントローラに転送します。通常、照明やカメラの制御はコントローラから行います。
2.前処理
コントローラでは、転送された画像データに対して前処理を行います。照明補正・2値化・フィルタ処理・色抽出処理など前処理の目的や用途によって前処理の内容はさまざまです。一般に、画像データの中から対象物の変化・特徴量などの情報を抽出してその後の判別や演算に必要となる特徴を強調します。目的に合った前処理を行うことで判別・判定・計測などの精度を向上させることができます。
3.計測処理
前処理で適切に特徴が強調されたデータに対して、検査内容に応じた判別や演算などの計測処理を行います。ここで寸法計測や形状判別などの画像処理が行われます。
4.判定・出力
画像処理されたデータを使ってOK/NGの判定や、計測した寸法が指定された公差(許容範囲)に則しているかどうかを判定します。判定結果や画像処理後のデータを出力します。
インライン検査では撮像から処理、結果出力までを高速に行う必要があります。そのため、ワークや検査目的に合ったカメラやレンズ、照明の機器、コントローラのスペックとアルゴリズムを選んで組み合わせることが重要です。
キーエンスの画像処理システムは、多くのFAの現場に導入されています。さまざまな現場での使いやすさや安定性を考慮し、さまざまな用途に対応できるハードのバリエーションはもちろん、ソフト面でも独自で新たなアルゴリズムを開発し、高度な画像処理を簡単に設定・操作できるユーザーインターフェースを追求しています。こうしたノウハウは、ニーズが高まり続けるマシンビジョン(ロボットビジョン)にも活用されています。ロボットの動作プログラムとの親和性による導入・設定・運用の簡単さ、そして高度な検出能力と高速性・安定性を実現しています。
画像処理システムのメリット1:全数検査の自動化によるスループットの向上
これまで目視検査に頼っていた項目も、画像処理システムを導入すれば、ライン上で自動全数検査ができます。画像処理システム導入後はコストがかからないうえ、人による判定結果のバラつきをなくし、単位時間あたりに処理できる作業量(スループット)の向上が可能です。
画像処理システムの技術向上により、高度な検査もインラインで自動化できるようになりました。たとえば、最新鋭の生産ラインを導入していても、目視での検査に時間がかかることによって出荷までのスピードが遅延してしまっては生産性が向上しません。画像処理システムをラインに導入すれば、その後は人員にかかる継続的なコスト負担なく、検査時間を飛躍的に短縮し、スループットを向上することができます。また、これまでオフラインの装置で検査していた項目をインラインにすることで、ワークをラインの流れからはずすことなく、良品だけをより短い時間で出荷することが可能になります。同時に不良品の流出を防止することにより、信頼性も獲得することができます。
画像処理システムのメリット2:高度な検査項目の自動化にも対応
従来は人の目でしか判断できなかった微細な外観不良や、インライン検査では困難だった3次元寸法の計測なども、最新の高機能な機器を使った画像処理システムであれば、インラインで自動全数検査が可能です。また、高速な撮像で複数の検査項目を一括で実施できるため、タクトタイムに影響を与えません。
光の当たり具合によっては判別できないような光沢面やヘアライン上の微細な傷や汚れは、これまで目視でしか検査できませんでした。しかし、ラインスキャンカメラと高機能照明、最新のアルゴリズムを組み合わせた画像処理システム駆使することで、インライン検査が可能です。また、最新の3次元カメラをライン上に1台設置すれば、3次元寸法を実寸値で計測すると同時に、さまざまな2次元検査も一括で実施することができます。従来の画像処理システムで自動化をあきらめていた検査項目も、最新の光学技術や画像処理技術を採り入れることで、安定したインライン全数検査が実現します。
画像処理システムのメリット3:ロボットビジョンで作業精度を飛躍的に向上
産業用ロボットをはじめとする自動装置の「目」となる画像処理システム、マシンビジョン(ロボットビジョン)を導入することで、高度な条件のピッキング作業などにも対応し、作業精度・効率が大幅に向上します。
従来の産業用ロボットは、作業者がティーチングペンダントを使って手作業で座標を指定する必要がありました。一方、マシンビジョン(ロボットビジョン)では、キャリブレーションや演算という手間のかかる作業を自動化し、準備工数を大幅に削減することができます。また、運用中の位置ズレ修正や重なり除去、ゆがみ補正などにより、安定してピッキングや検査などを継続することができます。これらの性能を発揮するために重要となるのが、各社のロボットとの親和性です。多くのロボットメーカーの標準設定に対応した画像処理システムであれば、簡単接続とロボットプログラミングの効率化やシミュレーションが可能です。
画像処理システムの業界別導入事例
自動車業界での画像処理システム導入事例
小さな不具合が重大な事故につながる可能性もある自動車業界では高い品質精度が求められ、それに応えるために検査基準の高度化が進んでいます。画像処理システムを導入することで、効率化やコスト削減と精度向上の両立、トレーサビリティ確保が可能となります。用途として、有無検査では、ECU上の防湿剤の有無検査やヒューズ組違い検査など。外観検査では、DPF・オイルシール・エンジンバルブ・ピストン側面のコーティング・ディファレンシャルギアなどが検査対象として挙げられます。他にも寸法計測による、コネクタ端子の曲りやスパークプラグ寸法検査、電池積層アライメントやロボットビジョンシステムによるピッキングなど、導入によって効果を発揮する工程が数多くあります。各事例の詳細やその他の事例は、以下のボタンをクリックしてご覧いただけます。
食品・医薬品業界での画像処理システム導入事例
安全性の確保を目的に検査基準の強化やトレーサビリティ確保が強く求められる食品・医薬品業界。画像処理システムを導入することで、検査を自動化し、初期導入費用以外のコストを抑えることができます。インスタントラーメンの具材や飲料製品のストローなどの有無検査や入数カウント、食品包装ではシュリンクフィルムや食品トレー、缶などの外観検査、容器ラベルの貼りずれ検査や包装袋シール幅といった寸法検査などに活用できます。他にも箱詰めロボットの位置決めへの活用、文字認識(OCR)機能を使った賞味期限の印字検査など用途は多岐にわたります。医薬品業界においても、注射針の刃面検査や錠剤のブリスター包装の外観検査などさまざまな検査の自動化が可能です。各事例の詳細やその他の事例は、以下のボタンをクリックしてご覧いただけます。
電子デバイス業界での画像処理システム導入事例
スマートフォンやゲーム機、パソコンなどの製品の小型化・薄型化の加速に伴い、半導体・電子デバイスは小型化・集積化され、より精密な検査精度が要求されるようになりました。最新の画像処理システムを導入することで、各工程の検査精度を向上し、市場の要求に応えることができます。たとえば、リードフレームのメッキ有無検査やトレー上のIC有無検査・方向判別、水晶振動子やLED、ICモールドなどの外観検査。コネクタピンのコプラナリティやリチウムイオン電池などの寸法検査、カメラモジュールの組み付けアライメントやICチップのロボットピッキング時の位置ズレ補正、ICパッケージの品種判別・2D認識、基板上の文字認識など。また、3次元画像処理を駆使して基板の反りや、コネクタ端子の高さ・曲がりを検査することができます。各事例の詳細やその他の事例は、以下のボタンをクリックしてご覧いただけます。
樹脂・容器業界での画像処理システム導入事例
画像処理システムは樹脂・容器業界のさまざまな検査工程で導入され、検査の自動化や効率化、不良品の流出防止を実現しています。たとえば、パッキンの中心ズレ検査、容器の内面検査、ラベルの位置ズレ検出、ボトル口部寸法測定や飲み口の欠け検出、カップの変形検出や容器側面部、紙パックの外観検査、シートの欠陥検査や樹脂塗装品の傷・欠け検査、樹脂キャップのズレ検出、製品の汚れ・ゴミ・ピンホール検出など、さまざまなシーンで画像処理システムを活用することができます。各事例の詳細やその他の事例は、以下のボタンをクリックしてご覧いただけます。
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Q.画像処理において、カラーカメラとモノクロカメラでは、どのような違い・用途がありますか?
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A.一般的に、色ムラや色違いなど、色の変化を検査する場合は、カラータイプのカメラを検討します。ワークや検査内容によってはモノクロカメラだと判別が難しい対象物も、カラーカメラで特定の色を抽出すると簡単に判別できるケースがあります。一方で、RGB照明を制御して複数の異なる波長(色)の光を投光する場合は、モノクロカメラを使用して撮像した複数の画像で画像処理を行うことで可能となる検査もあります。検査内容やワーク、それに最適なシステムという観点から選定することが重要です。
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Q.画像処理に使用する照明の色(波長)は、どのようにして選べばいいですか?
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A.照明の色(波長)は、その効果から選びます。検査対象の色に対して「補色」となる色を使用することによって、検出対象のコントラストを強調する効果が得られます。補色とは、色相環図において向かい合っている色のことをいいます。たとえば、橙の補色は青です。検出対象が橙であれば、その補色である青色の照明を使用すると、検出対象のコントラストをはっきりと撮ることができます。一方で対象と近い色の照明を使用するとコントラストを弱めて検出から除外しやすくなります。マルチスペクトル照明のように、8色LEDを高速制御して連続投光・撮像できる高機能照明を活用すれば、複合的な条件での検出はもちろん、微妙な色差までも判別することができます。
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Q.生産ライン上の複雑形状のワークに対して、画像処理システムを使って正確な寸法計測は可能ですか?
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A.可能です。3次元カメラ(XTカメラ)であれば、大口径テレセントリックレンズを搭載し、視野全体に対してひずみのない撮像が可能です。それにより、インラインで実寸値での高精度な寸法計測が可能です。また、内蔵の4投光RGBプロジェクターを高速制御して、多方向から複数の縞パターンをワークに投影します。それにより、複雑な形状のワークであっても死角なく3次元形状を正確に捉えることができ、3次元寸法や任意の段差などのプロファイルも実寸値で計測することができます。
画像処理システムを導入するには、目的とする検査内容はもちろん、ワークやラインの条件に適した機器を選定して組み合わせる必要があります。ここでは、目的や条件に合ったカメラ・レンズ・照明・コントローラなどの選定方法やその手順について説明します。
カメラの選び方
画像処理システムに使用するエリアカメラには大きく「高画素タイプ/高速タイプ/標準タイプ/小型タイプ」があります。それぞれに、カラー/白黒カメラがあります。一般的な選定の手順を以下に示します。
- 1.画素数を選ぶ
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必要精度を満たす画素数(ピクセル数)を選択します。
- 2.転送速度を選ぶ
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高速処理や処理のさらなる安定化を必要とするケースでは高速タイプを選択します。
- 3.カメラサイズを選ぶ
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設置スペースが限定される場合は小型タイプを選択します。
- 4.カラー/白黒を選ぶ
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CMOSタイプ(カラーまたは白黒)を選択します。色相変化をとらえる場合はカラーカメラを選択します。
【高度な検査の実現】ラインスキャンカメラや3次元カメラの活用
スタンダードなエリアカメラの他にも目的に応じて、微細欠陥を正確に捉える「ラインスキャンカメラ」や、実寸値での寸法計測ができ、1台で2次元+3次元一括の検査が可能な「3次元カメラ」などを選択することができます。
レンズの選び方
レンズの仕様に焦点距離というものがあります。撮像したい対象物に必要な視野と焦点距離から求められる、焦点の合う位置=WD(ワークディスタンス)は、CMOSのスペックに関係します。他に必要とする被写界深度(ピントの合う深さ範囲)やコントラストなどからレンズを選定します。一般的な選定の手順を以下に示します。
- 1.撮像サイズと設置可能距離から焦点距離を決める
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焦点の合う位置(WD)と視野の大きさは、レンズの焦点距離とCMOSのサイズで決まります。
- 2.ワークの形状から必要な被写界深度を考える
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ワークの斜面など高低差がある場合、深い被写界深度が必要です。レンズの焦点距離が短いほど、また、対象物までの距離が遠くなるほど、そして、レンズの絞りを絞っている状態であるほど被写界深度は深くなります。
- 3.検査精度から高解像度レンズか標準レンズかを選択する
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コントラストの高い画像を得るには、高解像度レンズを選択する必要があります。
照明の選び方
ワークの特性によって照明を当てる方向(正反射・拡散反射・透過)、検出内容と背景と周囲環境から照明のタイプをワークと背景に合わせて照明の色(光の波長)などを決めます。一般的な選定手順は以下の通りです。
- 1.照明を当てる方向を決める
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ワークの素材・形状、検査用途から判断し、正反射・拡散反射・透過の3種類から選択します。
- 2.照明の形状/大きさを決める
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1.で正反射を選択した場合は、同軸落射照明・リング照明・バー照明から選択。拡散反射を選択した場合は、ローアングル照明・リング照明・バー照明から選択。透過を選択した場合は、面照明・リング照明から選択します。
- 3.照明の色(波長)を決める
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カラーカメラ使用時は、一般的に白色。白黒カメラ使用時は、目的によって補色や波長から検討します。
【高度な検査の実現】多機能・高機能な照明ユニットの活用
多方向投光や複数波長の投光、パターン投光などが可能な多機能・高機能な照明ユニットと新しい検査アルゴリズムを活用することで、従来の単機能照明における課題を解決することができます。たとえば、ハレーション除去や模様のある背景から凹凸のみの抽出、微妙な色差の判別、3次元検査など、高度な検査要求への対応や複数の検査項目への効率的な対応が可能になります。
画像処理.comは、FAの現場に求められる画像処理の基礎をハード面・ソフト面から詳しく解説しているサイトです。検査や位置決め、ロボットビジョンなどの用途や、業界別での画像処理システムの導入事例やメリットを紹介します。

外観検査.comでは、外観検査の基礎知識やさまざまな手法から、各種製造工程で発生する外観不良と画像センサを活用した外観検査の具体的な業界別事例まで詳しく解説します。

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FAの現場に求められる画像処理の基礎知識をハード面・ソフト面から詳しく解説する1冊です。また、検査や位置決め、ロボットビジョンなどの用途別アプリケーションや業界別の画像処理システム導入事例やメリットも紹介しています。
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画像処理システムには、さまざまなカメラやレンズ、照明、コントローラがあり、どれを選べばいいかわからないという方におすすめの1冊。各機器の選び方を図やサンプル画像、検査事例とともにわかりやすく解説しています。
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自動車業界での画像処理システム/画像センサの導入事例を1冊にまとめました。さまざまなワークや工程、検査項目に対して、画像判別センサから最新の3次元カメラまで、適材適所の事例を網羅しています。
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LumiTrax™照明やマルチスペクトル照明、パターンプロジェクション照明、ラインスキャンカメラ+LumiTrax™正反射モードなど、FAでの検査課題を解決すべくキーエンスが開発した最新の特殊撮影技術とその効果を一挙に紹介します。
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画像処理システム/画像センサを使ってワークの異物・傷・欠陥を検出するインライン外観検査。さまざまな事例を検査の原理とともにわかりやすく紹介します。外観検査にお悩みのかたには、ぜひご一読いただきたい1冊です。