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セーフティレーザスキャナ

スキャナ最高の安全水準であるType3、SIL2、Category3、PLdをクリアしたセーフティレーザスキャナ。コンパクトな設計でありながら広い検知範囲を持ち、ミューティング機能やバンク設定機能なども搭載。AGVへの設置やロボット周辺の安全対策に最適な安全機器です。

セーフティレーザスキャナ

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生産終了品

  • セーフティレーザスキャナ「SZ-Vシリーズ」は、スキャナ最高の安全水準であるType3、SIL2、Category3、PLdをクリアした、安全性と生産性を両立した安全機器です。最大8.4mのエリアをカバーでき、汚れに強く、従来わかりにくかったセーフティレーザスキャナの保護領域や検知状態の見える化を図ることで使いやすさを実現しました。また、使いやすい設定ソフトにより、設計からメンテナンスまで、工数の大幅削減に貢献します。さらに、「SZ-Vシリーズ」は安全機器として重要な存在検知や侵入検知はもちろん、ミューティング機能の搭載、最大32バンクのバンク設定機能など、安全対策を簡単に実現できる使いやすいセーフティレーザスキャナです。

    広範囲をカバーしながら、“汚れ”に強い

    当社従来比2倍の保護領域8.4mを実現し、広範囲を保護。大きな領域から小さな領域まで自由な領域設定を可能にします。さらに、新搭載のアルゴリズムが反射型センサとしての性能を大幅に改善。
    スキャナの大敵であったホコリや汚れによる誤検知を削減し、不要な設備停止を防止します。

    詳しくは、カタログ(PDF)をダウンロードしてご覧ください。
    検出角度190°、最大保護領域8.4m

    最大保護領域は、当社従来比2倍の8.4m。車体工程などの距離が必要な設備でも、たった1台でカバーできます。さらに、警告領域は最大26mまで使用可能なため、対応できるアプリケーションの幅が広がります。

    汚れ耐性を大幅に改善

    レーザ光の射出角度を従来の0.36°から0.1°まで狭ピッチ化することで、従来比3倍以上のマルチサンプリングを実現。また、レーザ光のスポットサイズも従来比約1/2( 距離4m 時)と極小化しています。複数の光軸で検出判断するため、小さなホコリでは誤検知しにくい高い耐環境性能を実現。

    【世界初】生産性向上に貢献。液晶モニタで状態が“見える”

    世界初の「本体液晶表示」+「分離システム」という新たな着想が、従来のレーザスキャナが抱えていた“見えない”という本質的な課題を解決に導きます。これにより、設置・稼働・メンテナンスにかかる時間を短縮し、生産性に寄与します。

    詳しくは、カタログ(PDF)をダウンロードしてご覧ください。

    「今、保護領域がどのようになっているか?」をパソコンを使わず、表示ユニットのQVGA液晶モニタで確認できます。 (※カメラタイプは映像でも表現可)

    QVGA液晶モニタ カメラ 大型表示灯 USBポート

    表示部を分離できるので、危険源や高所といった安全にアクセスできない場所や入り組んだ場所にスキャナヘッドがあっても、スキャナの稼働状態を簡単に確認可能です

    表示ユニット スキャナヘッド
    SZ-V シリーズ - セーフティレーザスキャナ
  • セーフティレーザスキャナ「SZシリーズ」は、「SZ-Vシリーズ」と同様にスキャナ最高の安全水準であるType3、SIL2、Category3、PLdをクリアした安全機器です。重さ約1.6kgのボディーは、手のひらに乗るコンパクトな設計なので、どこにでも設置でき、無人搬送車(AGV)などにも積載可能です。簡単な形状の保護領域や警告領域であれば、PCがなくても本体のみで設定することができます。小型でありながら、270°の検知範囲を持ち、さらにミューティング機能や最大16バンクのバンク設定機能など必要にして十分な機能を持っており、安全対策を導入しやすいコストで実現するセーフティレーザスキャナです。

    設置場所・取り付け場所を選ばない

    コンパクトな設計なので、侵入検知で設備の高い場所でも楽に取り付けできます。「SZシリーズ」は、取付金具もバリエーション豊富で、設置状況に合わせて選択できます。検出能力も小型でありながら、最大保護領域4.2m、警告領域10mの長距離を実現。検出領域はパソコンで簡単に設定することができます。また、検出領域を自由に設定できるため、取り付け場所を選びません。設備の端や保護領域の隅に設置することも可能です。もちろん重さ約1.6kgと軽量なので、持ち運びにも便利です。

    最大保護領域4.2m 検出確度270° 警告領域最大10m

    充実の安全機能

    反射型安全センサーとして、存在検知や侵入検知のために十分な基本機能を持っています。1台で2つの保護領域を別々に同時制御できるタイプや、3つの領域(保護領域×1+警告領域×2)が設定できるバンクを最大で16個まで登録し、状況に合わせて切り換えることができるタイプがあります。このバンク機能は、「SZシリーズ」を無人搬送車に積載し、衝突防止などに役立てることができます。設定ソフトには自動的に保護領域を暫定描画するオートドローイング機能を搭載し、工数削減に貢献します。充実の安全機能をコンパクトなボディーにパッケージしています。

    SZ シリーズ - セーフティレーザスキャナ

セーフティレーザスキャナとは、危険区域内の作業者の存在を検出して、機械に対して信号を出力する機器です(存在検知)。 また、作業者が危険区域に侵入したことを検出する目的でも使用されます(侵入検知)。
セーフティライトカーテンは投光器が発した光を受光器が受ける透過型センサーであるのに対し、セーフティレーザスキャナは投光器が発した光を物体が反射し、反射した光を受光することで検出する反射型センサーです。

セーフティレーザスキャナのメリット1:故障に強く、自由自在の保護領域設定

非接触検出なので、マットスイッチのように物を落としたりぶつけたりして破損させるリスクが低いという特長があります。また、マットスイッチでは保護できない複雑な領域であっても、セーフティレーザスキャナなら自由に保護領域として設定することができます。

床に敷いて使うマットスイッチは、荷物の落下や人が踏むことにより内部の電線などが断線し、故障することがあります。また、保護できる領域がマットスイッチの形状に依存するため、検出できないエリアがありました。セーフティレーザスキャナは保護領域に存在する作業者を非接触で検出するので、荷物の落下や人が踏むことによる故障の心配はありません。また、光が届く範囲なら、保護領域の形状に制限はなく、設備のレイアウトに合わせて自由に変更することができます。さらに、ボディーがコンパクトであるため、セーフティライトカーテンが取り付けにくい場所でも設置することができます。複数台を設置することで死角を無くし、広い範囲でも隅々まで検出することができます。

セーフティレーザスキャナのメリット2:取り付け場所やミューティングエリアの設定が自由

ライトカーテンの設置が難しい設備への設置や、ミューティング機能使用時に検出できないエリアを最小限にすることができます。

たとえば製造ラインの大きな開口部への人の侵入を検出する場合、ライトカーテンでミューティング機能を使用すると、製品を通過させるときに人の侵入を検出できないことがあります。
セーフティレーザスキャナなら、ミューティング機能によって無効化する領域を自由に決めることができるので、開口部の上方に設置することで、製品が通過するときでも人の侵入を検出可能です。さらに、汚れにくい場所に設置することで、汚れの付着による誤作動を防ぐことができます。このように、セーフティレーザスキャナは取り付け場所に制約がなく、保護領域も自由に設定できるため、工場内の設置しやすい場所に取り付けて必要なエリアを保護することが可能です。

セーフティレーザスキャナのメリット3:バンク切り換えで3段階の制御が可能

1つのバンクに保護領域と警告領域を複数設定できます。バンクは最大32バンクまで設定できるので、外部信号によって最適な領域を選択可能です。また、保護領域と警告領域を使い分けることで、3段階の制御が可能です。

バンクとは、保護領域や警告領域の組み合わせを指します。セーフティレーザスキャナはこのバンクを複数設定し、外部からの信号でバンクを切り換えることで、最適な保護領域を選択することができます。これを「バンク切換機能」といいます。最大32個のバンクを登録できるタイプの場合、1つのバンクに保護領域1つと警告領域2つを設定できます。
また、予期せぬ順序のバンク切り換え指示があった場合はエラー状態とできる、バンクの切り換え順序をモニターする機能もあります。これにより、意図しない保護領域が選択されたまま機械が稼動することを防止します。これらの機能は自動搬送車(AGV)や協働ロボットの安全対策に役立てることができます。

セーフティレーザスキャナの業界別導入事例

AGV(自動搬送車)の安全対策

無人搬送車(AGV)には、走行現場の状況に合わせた保護領域の切り換えができる安全装置が必要です。
「SZ-Vシリーズ」および「SZシリーズ」は、常に進行方向を検知できる「バンク切換機能」を搭載しています。「バンク切換機能」はあらかじめバンク内に登録した保護領域や警告領域を指定する機能で、無人搬送車の進路が右や左に曲がっていても進行方向に合わせてバンクを切り換えることで、常に進行方向を監視し続けます。
これにより、進路上の人や障害物を検知した場合は無人搬送車を停止し、それらが近くに存在する間は無人搬送車の起動を不可にすることができます。また、保護領域と警告領域を使い分けると、たとえば人や障害物が警告領域に入った場合は音で警告し、保護領域に入ったときは無人搬送車を停止するといった安全対策が可能になります。

柵レス6軸ロボットの安全対策

安全柵がない場所で稼働するロボットの可動範囲に作業者が入ることは大変危険なので、厳重な安全対策が必要です。
「SZ-Vシリーズ」および「SZシリーズ」は、OSSD1/2とOSSD3/4という2つの保護領域を設定することができます。この機能を使うと、保護領域のOSSD1/2でロボットの動作が遅くなり、OSSD3/4でロボットが停止という制御が可能です。
さらに、作業者が保護領域の外に出るまで、ロボットの起動を停止するという制御も可能です。たとえば作業者がロボットに近づくとロボットの動作が遅くなり、ロボットの可動範囲内に入るとロボットが停止。ロボットの可動範囲内での作業中はロボット起動不可にすることができます。また、メンテナンスなどで保護領域に作業者がおり、ロボットを作動させなければならない場合は、一時的に安全機能を無効化することもできます。

ロール機の安全対策:巻き出し装置編

多くのロール機では、材料の投入やロールの設定、清掃作業などは人が手作業で行います。このため、ロール機周辺での作業は、ローラーが完全に停止している間に作業することを徹底できる安全対策が必要です。
「SZ-Vシリーズ」および「SZシリーズ」なら、柵内で作業をする作業員の安全を確保することができます。ロール機を停止し柵内に作業者が入ると、セーフティレーザスキャナが作業者を検知。柵内に作業者がいる間、ロール機の起動操作を無効にします。
これにセーフティドアセンサ(GS-50シリーズ)を組み合わせると、ロール機が停止してからドアロックを解除して、作業を終えた作業者が安全柵外に退出しドアを閉じてロックすると、ロール機の起動が可能になるような安全対策が可能です。

Q.
セーフティレーザスキャナの役割りは?
A.
セーフティレーザスキャナの主な使用用途は3つあります。それは、存在検知、侵入検知、衝突防止です。
「存在検知」では、セーフティレーザスキャナを水平設置し、人がいると危険な領域を監視することができます。例としては、作業者の居残り確認や装置の再起動防止などが存在検知に当たります。
「侵入検知」では、セーフティレーザスキャナを垂直に設置することが多く、人が危険な領域に侵入したことを検知して設備を停止させます。開口部の両側に柱などが必要なライトカーテンに代わって侵入を検知することができます。
「衝突防止」は、無人搬送車(AGV)に取り付けて、周囲にいる作業者を検知し、衝突を防止する機能です。有軌道式無人搬送車(RGV)やフォークリフトの衝突防止にも利用できます。
Q.
セーフティレーザスキャナが他の安全機器と異なる点は?
A.
セーフティレーザスキャナは、レーザー光を使った反射型センサーなので設置場所も保護領域も自由に設定できます。
このため、セーフティレーザスキャナはライトカーテンと比べて設置場所の制約が少なくなります。設置時の光軸合わせに苦労することもありません。保護領域は複雑な形状であっても、設定ソフトで簡単に設定できます。
また、マットスイッチと比べて、セーフティレーザスキャナであればワークの落下による破損の心配はありません。保護領域を自由な形状に設定できるので、レイアウト変更も簡単にできます。このため、レイアウト変更に対応するために、保護領域の形状に合わせた大きさや形状のマットスイッチの在庫を何種類も持つ必要はありません。
このように、セーフティレーザスキャナは他の安全機器に比べ、設置場所や保護領域設定の制約が少なく設置が容易で故障のリスクが低く、効率の良い安全対策を実現する安全機器であるといえます。
Q.
ロボットの柵内居残り検知にセーフティレーザスキャナは使えますか?
A.
ロボット周辺で事故が発生する要因として多いのは、人が柵の中にいる状態で設備を起動(再起動)してしまうことです。特に大きなロボットの周辺では死角が増え、この死角の対策をしなければならないことは、規格上でも明記されています(JIS B8433-2(ISO 10218-2))。
セーフティレーザスキャナは、保護領域の描画が簡単です。現状のレイアウトに合わせた領域を簡単に描ける機能や、現物合わせで描画できる機能を搭載しているので、領域描画が簡単です。また、最大保護領域も広範囲です。さらに、複数台を設置することで、死角を完全になくすことができます。
これらの機能により、セーフティレーザスキャナは、ロボット周辺のレイアウトをそのままに、簡単に居残り検知ができます。

国際規格に沿って設計し、ISOやIECなどの機関に認証されたセンサーを「安全センサー」といいます。そして、安全センサーの中でも認証を受けたレーザースキャン式センサーを「セーフティレーザスキャナ」といいます。
セーフティレーザスキャナとして認証を受けるためには下記の国際規格を満たすことが要求されます。
・IEC 61496(JIS B 9704):Type3
・IEC 61508(JIS C 0508):SIL2
・ISO 13849(JIS B9705):PLd Category3
「SZ-Vシリーズ」および「SZシリーズ」はこれらの認証を受けており、高い安全水準をクリアした安全センサーです。以下、「SZ-Vシリーズ」および「SZシリーズ」が認証を受けた規格について説明します。

IEC 61496(JIS B 9704):Type3とは

機械使用時における人の安全防護に使用される、安全センサー(セーフティレーザスキャナなど)のように電気的に人体を検知して、その保護のための制御信号を出力する装置(ESPE:Electro-sensitive protective equipment)の製品安全規格です。
安全センサーの安全度によりタイプ分けされており、タイプごとに部品故障時に危険状態が発生しない設計・構造が要求され、Type4が安全度は一番高くなります。また、環境要求事項もタイプごとにあり、ノイズ耐性(EMC)や温湿度特性、機械的耐久性(対振動、衝撃など)、防水性、電源電圧の影響などが要求されています。
各タイプの要求項目は、以下の通りです。
IEC61496-2(Type2・4):投光部と受光部との間に形成されるレーザーが遮光されることで人体を検出
IEC61496-3(Type3):レーザー光の反射で人体を検出
IEC61496-4(Type4):画像センシング技術を用いて人体を検出
セーフティレーザスキャナは、上記の「Type3」に分類されています。Type3は検知可能な物体の最小反射率(1.8%以上)や外乱光耐性(各種の外乱光に対する耐久性)、汚れおよび背景や遮蔽物体の影響に対する耐性などを要求しており、「SZ-Vシリーズ」および「SZシリーズ」はこのType3をクリアしています。

IEC 61508(JIS C 0508):SIL2とは

IEC 61508(JIS C 0508)は「電気・電子・プログラマブル電子安全関連系の機能安全」信頼性および開発プロセスについての要求事項です。SILはそこで定められた安全度水準のことで、Safety Integrity Levelの略です。SILはIEC 61508においてシステムの安全性能を表す尺度で、動作要求に対して動作しない確率(単位時間当たりの危険側故障確率)を示します。SILはSIL1~SIL4まで4段階が定められており、セーフティレーザスキャナはSIL2をクリアすることが要求されています。SIL2の単位時間当たりの危険側故障確率は10⁻⁷以上10⁻⁶未満とされており、「SZ-Vシリーズ」および「SZシリーズ」は、この厳しい基準をクリアしています。

ISO 13849(JIS B9705):PLd Category3とは

「SZ-Vシリーズ」および「SZシリーズ」がクリアしているPLdとCategory3について説明します。

PLdとは

PLdの「PL」とは予見可能な条件下で安全機能を実行する制御システムの能力を指定するレベルのことで、「パフォーマンスレベル(PL)」といいます。機械の安全機能を実行する部分を「制御システムの安全関連部」と呼び、この安全関連部の能力を規定するために用いられる区分レベルを安全関連制御システムのPLは、常に要求パフォーマンスレベル(PLr)と同等かそれ以上であることが求められます。PLdは、そのレベルが「d」であることを示し、セーフティレーザスキャナは単位時間当たりの危険側故障発生確率が10⁻⁷以上10⁻⁶未満(0.00001%~0.0001%)であることを示します。

Category3とは

Category3は安全カテゴリーの基準で、安全カテゴリーとは安全関連部の構造(アーキテクチャ)を表す概念です。安全関連部は、機械の安全を確保しますが、機械の目的や危険のレベル、機械の規模や使用頻度などによって適切な構造が異なります。安全カテゴリーには1~4まであり、セーフティレーザスキャナはCategory3をクリアしていなければなりません。Category3は、安全機能のある一部に故障が生じても、全体として安全機能は損なわれないことを規定しています。

危険源への「侵入の検知」と危険区域の「存在の検知」を中心に、安全機器を用いた安全対策の事例を紹介します。

機械設備の安全規格やリスク管理に関するサイト。国際規格ISOや産業用ロボットの安全対策についても学べます。