3DプリンタとSTLデータCADからSTLデータへの変換
STLデータで出力する際の偏差
CADデータからどのようにしてSTLデータに変換するかは、3Dプリンタで造形を行なう上で非常に重要です。
ポイントとなるのは、STLデータで出力する際の偏差※です。偏差は、STL表面を形成する三角形をどこまで細かくするかを決めるパラメータです。
元のCADデータが同じでも、このパラメータの設定次第で仕上がりが大きく変わってきます。
ポイント:STLデータで出力する際の偏差の設定次第で仕上がりが大きく変わる
※3D CADソフトによって名称が異なる場合があります。(3D精度、公差、距離、弦の高さ、角度、角度制御、ファセット、エッジの最大長さ、エッジからサーフェスの最大距離など)
偏差を粗くしたものと細かくしたもので比較した例

3Dプリンタで表現できる最適なレベルに合わせて偏差を設定する
3Dプリンタでは、最小分解能の1/2程度の設定で、必要十分な表面のなめらかさになります。実際に適正値で出力したデータとそれ以上に細かくしたデータで造形結果を比較してみましょう。

ポイント
- ・最小分解能の1/2で十分
- ・より細かく指定しても仕上がりは変わらない
データ容量は約4倍違いますが、造形物の仕上がりでは違いは見られません。仕上がりが同じであれば、データは軽い方が扱いやすくなります。
適正な設定で出力することは、より快適に必要なモデルを手に入れるための手助けとなります。
STLデータ保存までの流れの一例
SOLIDWORKSの場合の変換手順
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1メニューバー[ファイル]より[指定保存]を選択します。
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2STLデータを保存する場所を指定します。
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3[ファイルの種類]から[STL]を選択します。
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4[ファイル名]は、デフォルトの名前を使用、または新しい名前を入力します。
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5[オプション]を選択します。
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6 エクスポートオプションより以下の設定を行ないます。
終了後、[OK]ボタンを選択します。
出力フォーマットを[バイナリ]、
偏差を[0.01mm]、角度を[5deg]に設定します。ポイント
○解像度: STL データの表面出力精度をコントロールするメニュー。
○偏差・角度:設定数値が小さいほど、面の精度は正確になる。
(例)キーエンスの3Dプリンタアジリスタなら積層ピッチが15μmなので、偏差は約1/2の0.01mm(10μm)に設定します。
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7[保存]ボタンを選択します。
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8確認のダイアログボックスが表示されるので、[はい]を選択します。