商品カテゴリ

白色干渉変位計(3次元)

白色干渉変位計(3次元)は、測定エリアに対し「面」で投光する変位計です。ワークの材質・色の影響を受けずに面の光で同軸測定するため、狭い箇所や溝の端など凹凸形状によって反射光が遮られることがありません。高さ情報を用いて段差・幅・角度・体積・粗さ・平坦度など、さまざまな測定を可能にします。

白色干渉変位計(3次元)

商品ラインナップ

生産終了品

  • WI-5000 シリーズ

    白色干渉3D変位計 WI-5000シリーズは、最大10×10mmの面の高さデータをわずか0.13秒、繰り返し精度0.1μmで高精度に測定します。ワークの3D形状に加え、新たに面粗さ(Sa・Sz)・線粗さ(Ra・Rz)もインラインで高速・高精度に測定することが可能になりました。独自設計の可動式光学ユニットを用いた白色干渉原理での同軸測定により、従来は困難だった透明体や鏡面体を含めあらゆる材質・色の対象物に対応。また、異なる材質・色が混在するワークも一括で測定可能です。3D測定ツールを豊富に搭載し、直感的な操作でさまざまな測定ニーズに応えます。さらに、専用スタンドを使用することで、オフライン検査にも使用可能です。

    白色干渉3D変位計とは?

    MAX10×10mmの測定エリアに対し、8万点の高さを瞬時に取得。
    取得した高さデータに対し、段差や体積・など各種寸法測定をわずか0.13秒で検出します。

    詳しくは、カタログ(PDF)をダウンロードしてご覧ください。
    面で捉える 位置・傾きを補正 各種寸法検査 測定までがわずか0.13秒

    白色干渉原理が高難度測定の課題を解決

    鏡面体・透明体・黒色体のワンショット測定を実現

    白色干渉原理では、反射光が受光できれば高さを測定することができます。そのため鏡面体・透明体でも正対していれば測定可能です。また反射率が低い黒色体が混在していてもワンショットでの測定が可能です。

    測定値一覧 鏡面高さ 619.2μm 黒ゴム面高さ 529.8μm ガラス面高さ 325.6μm
    溝の深さ、孔の深さも自在に測定

    同軸測定であるため、開口部に対して底部が深い溝や孔であっても測定することが可能です。一般的なレーザ変位計では、投光部と受光部が別軸になるため、測定することができません。

    面粗さ測定( S a・S z )線粗さ測定( R a・R z )を実現

    最大10×10 mmの画角内の高さデータを用いて、面粗さ(Sa・Sz)線粗さ(Ra・Rz)を瞬時に測定し、良否判定をインライン上でおこなうことができます。

    透明ゲルや半透明樹脂・金線の高さ測定を可能に

    従来の測定では困難とされていた透明ゲルや半透明樹脂の充てん高さ、ボンディングワイヤの測定を実現。ループトップ高さなどの反射が弱く、光が回り込んでしまうような対象物でも、白色干渉原理で測定がおこなえます。

    WI-5000 シリーズ - 白色干渉3D変位計

白色干渉変位計(3次元)は、測定エリアに対し「面」で投光します。光学ユニットを上下駆動させながら、同軸で死角なく受光した干渉光から多点の高さ情報を瞬時に算出します。
白色干渉の原理により、ワークの材質、色の影響を受けず、透明体や鏡面体、金属粗面、黒ゴムなどあらゆる対象物の3D形状や面・線粗さを高速かつ高精度測定します。また、三角測距方式を用いた1次元レーザ変位計などの測定とは異なり、面の光で同軸測定するため狭い箇所や溝の端など凹凸形状によって反射光が遮られることがありません。ワークの形状に影響されないため、高速で安定した測定が可能です。

白色干渉の基礎的な原理や、インラインでの3次元測定に対応するキーエンスの白色干渉3D変位計 WI-5000シリーズのメカニズムと測定の仕組みなどについて解説します。

白色干渉の原理

光の干渉とは、対象物の表面からある点までの光の距離(光路)に差が生じることで起こる現象のことです。白色干渉方式では、白色光源から投光された一方の光は対象物を照射し、もう一方の光は参照ミラーで反射させて、それらの光の干渉の強弱から対象物表面の凹凸の高さ・深さを測定します。

白色干渉変位計(3次元)のメカニズムと測定原理

白色干渉の原理を用いて、あらゆる材質・色、形状の対象物をインラインで高速かつ高精度に測定できる、キーエンスの白色干渉3D変位計 WI-5000シリーズのメカニズムや測定の仕組みを図とともに詳しく解説します。

白色干渉変位計(3次元)のメカニズムと測定原理

白色干渉変位計(3次元)のメカニズム:
①LEDと半導体レーザーの特性を併せ持つ広帯域な「SLD光源」から光を照射します。
②照射された光は、光学ユニット内のビームスプリッタで2方向にわかれます。
③2分された光のうち、一方の光は測定エリア内の対象物に対して、面状に投光されて反射。もう一方の光は光学ユニット内の参照ミラーでそれぞれ反射します。
④これら2つの光は「干渉光」として受光素子に入光します。このとき、光学ユニットを上下に駆動させることで、対象物から反射した光路の長さが変化します。
⑤受光素子に入った干渉光は、互いの光路長が一致したときに、干渉強度が最大となります。このときに得られる複数枚のコントラスト画像から、画素ごとに干渉強度が最大となる上下位置を読み取ることで、対象物との距離(高さ・深さ)を測定します。この仕組みについては、次に図を用いて詳しく解説します。

光学ユニットの上下駆動によるZ軸測定の仕組み:
光学ユニットの上下駆動とZ軸(高さ・深さ)データを抽出する仕組みについて、以下の図を用い、順を追って解説します。
①光学ユニットから対象物に面状の光を照射します。
②光学ユニットを上下駆動させながら、複数枚のコントラスト画像を取得します。
③干渉強度が最大になる位置を捉えて、対象物までの距離を測定します。
図のように対象物の高さによって、干渉強度のピーク位置が変化します。8万点の画素それぞれに対してこの変化から高さデータを並行処理で高速に算出することにより、エリア内を瞬時かつ高精度に3D測定することができます。それにより、WI-5000シリーズは、対象物の3次元形状はもちろん、面粗さや線粗さもインラインで測定することができます。

a:光学ユニットの上下駆動 b:光学ユニットの位置 c:干渉強度の最大値 d:干渉強度
a:光学ユニットの上下駆動 b:光学ユニットの位置 c:干渉強度の最大値 d:干渉強度

白色干渉変位計 (3次元)のメリット1:対象物の材質・色・形状を問わず測定

接触式の測定機器では測定圧により、対象物がやわらかいまたはダメージを受けやすい場合は使用できません。一方、白色干渉変位計(3次元)は、非接触で3次元測定が可能。透明体・鏡面体・黒色体など対象物の材質・色を選びません。

白色干渉3D変位計 WI-5000シリーズは、対象物がやわらかい合成ゴム、キズがつきやすい透明なガラスであっても非接触で測定可能です。接触測定が不可能な透明ゲル状の充填材や接着剤、デリケートなうえ反射率が異なる材質が混在した電子デバイスであっても非接触で高さ・深さ・体積などの測定を行うことができます。点ではなく面で対象物を捉えるため、一般的な測定機器に比べ圧倒的な高速性や安定性を実現します。また、ダイナミックレンジの広いSLD光源や高性能なCMOSを用いた白色干渉方式を採用することで、鏡面体・透明体、反射率が低い黒色体が混在したワークや内部反射する半透明な樹脂でも、材質・色の影響を受けずワンショットでエリア内を一括測定することができます。

白色干渉変位計 (3次元)のメリット2:対象物の形状による死角が生じない

三角測距法を用いた1次元レーザ変位では狭い箇所の凹みなどで反射光が遮られ受光できない死角が生じる場合があります。しかし、白色干渉変位計(3次元)であれば面で同軸測定するため、対象物の形状によって死角が生じることがありません。

三角測距法を用いた1次元レーザ変位の場合、狭い凹みなどでは反射光が遮られて受光できず、死角となって測定できない場合があります。また接触式変位計の場合も接触子を当てることができない小さな凹み部分は測定することができません。白色干渉3D変位計 WI-5000シリーズは面で同軸測定するため、対象物の形状によって死角が生じることがありません。電子デバイスや成形品の小さな穴や隙間の深さはもちろん、ウェハ上の微小な溝や孔までエリア内全域の凹凸を死角なくワンショットで高精度測定することができます。

白色干渉変位計 (3次元)のメリット3:高速・高精度測定で検査タクトを改善

1次元レーザ変位計など点や線での多点測定は、多くの時間を要します。また、従来のエリアカメラは立体的なワーク全体にピントが合わず不安定でした。白色干渉変位計(3次元)は、面で瞬時に測定できるため、検査タクトを大幅に改善します。

1次元レーザ変位計や接触式の測定機などを用いてエリアを測定する場合、点や線での多点測定に多くの時間を要します。また、従来の汎用エリアカメラでは、奥行きのある立体的なワーク全体にピントを合わせることが困難で、Z軸の測定ができません。そのため、インラインでの全数検査を諦めざるを得ないワークが発生すると、検査工数が大きな課題となります。面で高さ・体積・3次元形状を高精度に測定が可能な白色干渉3D変位計 WI-5000シリーズは、ワンショットわずか0.13秒で最大10×10mmのエリア全体の3次元測定ができるため、インラインでの検査タクトを飛躍的に短縮が可能です。

白色干渉変位計(3次元)の業界別導入事例

表面実装部品の端子高さ測定

白色干渉3D変位計 WI-5000シリーズは、広いダイナミックレンジを実現したことで、光の反射率が異なる材質が混在していても全体を一括測定することが可能です。電子デバイスの金属製端子部(反射率が高い)とセラミックパッケージ(反射率が低い)が混在してもワンショットで全体の3次元形状を安定的に測定することができます。また、高さの分布をカラーマップで表示したり、任意の箇所のプロファイルを表示することができるため、パッケージの平らさや端子の不良箇所の詳細を可視化して確認することが可能です。

樹脂製部品のパーティングラインのバリ高さ検査

接触式の粗さ計や3次元測定機などでの測定では、接触子の測定圧で微細なバリが潰れてしまい、正確な測定ができないうえ、検査に多くの時間を要しました。白色干渉3D変位計 WI-5000シリーズは、非接触で0.1μmの繰り返し精度を実現し、わずか0.13秒で8万点もの高さデータを取得可能です。そのため、微細なバリ高さを正確かつ素早く測定できます。また、ワークの材質や色、光沢による誤差や、凹んだ形状でも死角が発生しないため、品種替えによる色・形状が異なる成形品の検査にもすぐに対応することが可能です。

奥まったバルブ底面の平面度測定

バルブ底面は奥まっているため、ポイント光などを用いた三角測距法の測定器では、面の測定に時間がかかるうえ、反射光が遮られ死角が生じました。白色干渉3D変位計 WI-5000シリーズであれば、ワークの直上から面で光を照射して、わずか0.13秒で8万点もの高さデータを同軸で取得します。それにより、奥まったバルブ底面であっても、死角が生じることなく測定することが可能です。ワークの材質・色・光沢の影響を受けないため、安定した自動全数検査を実現します。また、バルブ穴の位置情報も同時に取得できるため、ストローク位置が適正であるかもワンショットで判別することができます。

Q.
光学ユニットの上下駆動による振動が、測定誤差や変位計の不具合の原因になることはありませんか?
A.
キーエンスの白色干渉3D変位計 WI-5000シリーズは、これまで駆動式光学ユニットの弱点と言われてきた上下駆動時の振動を、物理的に極限までキャンセルする機構を独自に開発。それにより、筐体内の重心移動による振動や、振動が原因となる測定誤差、変位計そのものの不具合原因につながる負荷を極限までなくすことに成功しました。高い制振性と安定した測定、そして、高い耐久性を実現しているため、安心して現場に導入することができます。
Q.
ワークに異なる材質や色が混在していても安定して測定することは可能ですか?
A.
材質や色が混在したワークでも安定して測定することができます。白色干渉3D変位計 WI-5000シリーズは、SLD光源と専用撮像素子を用いた同軸測定により、広いダイナミックレンジを実現しています。一般的な拡散反射設置タイプの3Dカメラとは異なり、透明体・鏡面体・黒色体など材質による光の反射率の変化の影響を受けることなく、あらゆる材質・色の3次元形状や面・線粗さを測定できます。ガラスや黒ゴムなど単一の材質・色はもちろん、組立・組付工程後などの検査において異なる材質・色が混在しているワークに対しても安定的かつ高精度な測定が可能です。
Q.
オフライン検査に使用する場合、厳密なワーク位置決めが必要ですか?
A.
いいえ、オフラインでの使用時でも高速測定のメリットを活かすことができます。WI-5000シリーズは、専用スタンドの使用で、ラインサイドでのオフライン検査に活用することができます。その際、「位置補正機能」を利用することで面倒な位置合わせが不要となり、ワークを置くだけで高速かつ正確な検査が実現します。また、ワークが測定エリアよりも大きい場合は、あらかじめ指定した場所を順番に自動測定していく専用自動ステージを活用することができます。簡単設定とワークのセットだけで広い測定エリアを自動測定し、結果を表計算ソフトに出力することができます。

測り隊.comは、測定に関する基礎知識や、測定器の種類と原理を用途ごとの活用・改善事例とともに解説。変位計・測定器の理解と選定に役立つサイトです。

インライン3次元検査は、従来は自動化が不可能だった全数検査の課題解決事例を紹介。高速・高精度な3次元検査の原理についても詳しく解説するサイトです。