ここでは、測定器を選定する際に知っておけば便利な用語についてご説明します。
レーザ変位計で対象物を測定するためには対象物からの反射光を受光部で取得する必要があります。三角測距方式の測定器では、反射光を適切に受光できるように対象物の表面状態によってセンサヘッドを傾けて設置します。
レーザ変位計で対象物を測定した時に測定値が0となる点です。
センサヘッドの下面から測定範囲の中心までの距離を表すことが一般的です。
レーザ変位計が対象物の変位量を測定できる範囲を表します。
基準距離を基準に±○○mmと表すことが一般的です。
【表記例】
基準距離:30mm
測定範囲:±5mm
上記のようなレーザ変位計は以下の範囲で対象物を測定できます。
非接触の測定器では一般的に2種類のスポット径があります。楕円形状をしたものと小スポットタイプのものです。
楕円形状をした物は楕円内の平均高さを測定するため、対象物の表面粗さ誤差の影響を受けにくくなります。しかしスポットサイズが大きくなるため形状の測定や小さな部位の測定には不向きです。
一方で小スポットタイプのものはスポットが小さいため、形状測定や細かな部位の測定に効果を発揮しますが、表面粗さもトレースするため楕円形状のものと比較すると表面粗さの誤差の影響を受けやすくなります。
直線性は測定器の性能を表す指標です。理想値と実際の測定結果との誤差の最大値を表します。たとえば直線性が±5μmの測定器を使用して対象物を1㎜移動したとき、表示される値は±5μmの誤差が含まれる可能性があることを意味しています(9.995μm~1.005μm)。
直線性の仕様は±○○% of F.S. で規定されF.S.は測定範囲を表し、以下の例のように計算されます。直線性が小さい測定器ほどよい測定器であるということができます。
例)直線性:0.02% of F.S.、測定範囲:±3mm(F.S.= 6mm)の測定器の場合
[直線性] = 0.02% × 6mm = ±1.2μm
受光素子で受光されている光の様子を表したものが受光波形です。縦軸が光の強度、横軸が受光素子上の位置。受光波形の形状を確認することで、現在の測定が正確に行えているかどうかを判断できます。
測定器の投光部から照射された光の中心軸を光軸といいます。
光軸領域図は投光部から受光部に至る光の経路を表す図です。この領域内に治具などが入ると対象物または受光部に光が届かなくなるため測定ができなくなります。