CHAPTER 1測定機の基礎知識

長さの単位の歴史

(1)人体基準

長さの基本単位の決め方は、時代とともに大きく変わってきました。その昔、基準となったのは人体で、例えば古代のメソポタミアやエジプト、ローマなどでは、腕のひじ部分から指先までを1キュビットという単位で表していました。もっとも、その長さは地域によってまちまちで、450〜500mmと幅がありました。精密な施工精度で知られるエジプトのピラミッドは、長短2種類のキュビットが用いられていることが判明しています。この時代、長さの原器となったのは、国王などの権力者の身体といわれています。今日においても、ヤードやフート(フィート)、インチは、人体を起源に持つ長さの単位として米国などで用いられています。

人体が長さの単位(1キュビット)
人体が長さの単位(1キュビット)

(2)地球基準

人体基準の長さの単位は数千年にわたって使用し続けられてきました。それが大きく変わったのは200年ぐらい前のことです。大航海時代を経て西欧を中心に工業が盛んになるにつれて、長さの基準を世界規模で統一する必要が生じてきました。単位を統一する議論は17世紀にヨーロッパで起こり、1世紀以上の議論を重ねた後、1791年になってフランスがメートル(ギリシャ語で「測る」の意味)という単位を提唱しました。そのときに基準となったのが、地球の北極から赤道までの子午線の距離で、それの1千万分の1を1メートルとしました。その後、19世紀末になって、世界規模で寸法の基準をそろえる必要から、酸化や摩滅の少ない白金イリジウム合金を用いたメートル原器がフランスで作成されました。

北極から赤道までの子午線の1000万分の1を1mに決定
A
北極
B
赤道

北極から赤道までの子午線の1000万分の1を1mに決定

(3)光速基準

地球基準の単位は当初から測量の難しさが指摘されたほか、メートル原器についても製作時の誤差や経年劣化の問題が生じたことから、新たな基準づくりが議論されてきました。1960年に開催された国際度量衡総会(CGPM)では、クリプトン86元素が真空中で放つ橙色の波長をもとに1メートルの長さが規定されました。さらに1983年になって、レーザー技術の進歩を踏まえて、光の速さと時間をもとに1メートルが決められたのです。この時の「1秒の299,792,458分の1の時間に光が真空中を伝わる距離」が今日の1メートルの定義となっています。

1/299,792,458秒進んだ距離 = 1m
A

\frac{1}{299,792,458} 秒進んだ距離=1m

このページのまとめQ&A

Q. 人体基準の長さ単位とは何ですか?

A. 古代では腕の長さなど人体を基準にした単位(キュビット等)が使われ、地域により長さが異なっていました。

Q. 人体基準の問題点は何でしたか?

A. 人によって寸法がばらつき、地域ごとに長さが統一できず、精密な基準として不十分だった点です。

Q. 地球基準の単位が誕生した背景は?

A. 工業発展に伴い世界共通の基準が必要となり、1791年に地球の子午線を基準にしたメートルが提案されました。

Q. メートル原器はなぜ作られたのですか?

A. 地球の測量だけでは精密性が不足し、安定した基準を持つため白金イリジウム製の原器が19世紀末に作られました。

Q. 現在の1メートルは何を基準に定義されていますか?

A. 1983年以降は「光が1秒の1/299,792,458の時間に進む距離」と定義され、高い再現性と精度が確保されています。

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