三次元測定機の導入ガイド
自社で三次元測定の体制をこれから整える場合、方法は3つあります。①公設試験場(公設試)の依頼試験を使う、②受託測定サービスに外注する、③自社に導入する、の3つです。
きっかけとして最も多いのは「客先から測定データや検査成績書の提出を求められた」というケースです。本ページでは、3つの方法の費用と向き不向き、自社導入に切り替えるタイミング、最初の1台の選び方までを順に解説します。

三次元測定の体制を整える3つの方法
選択肢①公設試験場の依頼試験:最も安く高精度を使う
各都道府県の公設試(産業技術センター・中小企業技術センターなど)の多くは、高精度な門型三次元測定機を保有し、依頼試験として、公開された公的な手数料で利用できます。技術職員に測定方法を相談できる点も、初めての企業には大きな価値です。
留意点は3つ。(1)持ち込みと予約が前提で、結果までに日数がかかる、(2)機器によっては企業への貸付に対応せず、職員による依頼試験のみの場合がある、(3)恒常的な検査には件数・頻度の面で向かないことです。
「まず1回、正確な値がほしい」「導入前に三次元測定がどんなものか知りたい」段階では、最初に検討すべき選択肢です。
選択肢②受託測定への外注:スポットの多数個・特殊測定に
民間の受託測定サービスは、検査表の作成、3Dモデルとの照合、治具製作まで一括で請け負い、多数個のスポット測定や特殊な評価に強みがあります。公設試より費用はかかる分、納期・フォーマット対応など商用サービスとしての柔軟性があります。
外注と内製の詳しい損益分岐は「外注と内製化の判断基準」をご覧ください。
選択肢③自社導入:「切り替えるサイン」が出たら検討
次のサインのどれか1つでも当てはまったら、自社導入の検討を始めるタイミングです。
- 外部への測定依頼(公設試・外注)が毎月発生するようになった
- 客先からの測定データ・検査成績書の提出が「毎回」になった
- 測定待ちで納期回答が遅れた経験がある
- 図面・現物を社外に出せない案件が増えた
外部への依頼が常態化しているなら、費用とリードタイムの損失は静かに累積しています。「都度頼む」から「いつでも測れる」への切り替えは、品質保証体制として客先へのアピールにもなります。実際、三次元測定機の保有が新規受注の条件になるケースもあります。
最初の1台の3条件
初めての1台選びは、スペックの前に次の3条件で絞るのが失敗しないコツです。
① 場所
恒温室を新設できる現場は多くありません。事務所や現場の一角に置ける、測定室不要(常温環境で動作)の機種を軸に検討します。
② 人
専任の検査員を置けない前提で、兼任者が短時間の教育で使える機種を選びます。置いてボタンを押すだけのAM-1000シリーズ、ナビゲーション表示付きのXMシリーズのように、兼任者がすぐ使える機能を持つ機種が目安です。検査成績書の自動作成機能があれば、客先提出資料の工数も削れます。
③ 予算
本体価格だけでなく、恒温室の建設費・維持費が不要かどうかで総額は大きく変わります。
よくある失敗は「せっかくなので」と過剰な据置機を選び、置き場所と使える人で行き詰まるパターンです。「誰が・どこで・どのくらいの頻度で使うか」という運用の姿から選ぶのが正解です。
卓上型 自動三次元測定機 AM-1000シリーズ
「誰が・どこで・どのくらいの頻度で使うか」を思い浮かべながら、
カタログの活用例をご覧ください。
導入後の運用が具体的にイメージできます。

置いてボタンを押すだけの
検査を確認
導入前に実ワークで精度を
確認できます
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持ち運んで現場で使うなら
ハンディプローブ三次元測定機 XM シリーズ カタログ
このページのまとめQ&A
Q. 中小企業でも三次元測定を低コストで始められますか?
A. 始められます。最も低コストなのは公設試験場の依頼試験で、公開された公的な手数料により高精度な門型測定機による測定を依頼できます。頻度が増えたら外注・自社導入を検討します。
Q. 三次元測定機の導入に補助金は使えますか?
A. 設備投資を支援する制度の対象になる場合がありますが、要件・公募時期は制度ごとに異なります。詳細は各制度の公募要領でご確認ください。
Q. 検査の専任者がいなくても導入できますか?
A. できます。置いてボタンを押すだけのAM-1000シリーズや、ナビゲーション測定のXMシリーズなら、製造や品質管理の兼任者が短時間の教育で運用できます。
Q. 客先から検査成績書を求められました。何が必要ですか?
A. 測定データと成績書のフォーマット対応です。成績書を自動作成できる機種を選ぶと提出工数を大幅に減らせます。詳しくは「検査成績書の作り方」で解説しています。




