三次元測定機の測定待ちを解消する
三次元測定機の「測定待ち」とは、検査の需要が門型測定機の処理能力を超え、加工品や出荷品が測定室の順番待ちで停滞する状態です。原因は、①測定ワークの増加、②使える人の不足、③1件あたりの測定時間の長さ、の3つに分解できます。
対策の定石は「仕分け→分散→自動化」の3ステップです。本ページでは、渋滞の構造を分解した上で、明日から着手できる解消手順と効果の試算方法を解説します。
測定待ちが起きる3つの要因
測定待ちは「機器が遅い」問題ではなく、需要と処理能力のバランスの問題です。
要因① 測定ワークの増加
求められる品質保証レベルの上昇で、検査対象も検査項目も年々増えています。受注が増えるほど検査は増え、渋滞は加速します。
要因② 使える人の不足
門型は座標系設定やプロービングに習熟が必要なため、操作できる人が限られます。機器が空いていても「人が空いていない」ことが実質の上限になります。
要因③ 1件あたりの時間
精密測定では対象物を測定室の温度に慣らす時間(一般に数時間)が必要です。さらに段取り・キャリブレーション・品種が変われば測定プログラムの作成が加わり、正味の測定時間より「測るまでの時間」が長くなりがちです。
この3要因は掛け算で効くため、どれか1つを緩和するだけでも渋滞は目に見えて改善します。
解消のための3ステップ
STEP1門型で測るべき測定を「公差」で仕分ける
最初にやるべきは投資ではなく仕分けです。いま門型に流れている測定を、要求公差で2つに分けます。
- 門型が必須の測定:1/1000mmの精度を要求されるような公差、基準器レベルの精密測定、幾何公差の厳格な証明が必要なもの。
- 門型でなくてもよい測定:1/1000mmの精度までは要求されない日常の寸法検査、工程内の傾向管理、試作の形状確認など。
多くの現場では、後者が測定件数の過半を占めます。つまり渋滞の実態は「門型でなくてもよい測定が門型に並んでいる」状態です。この仕分けができれば、対策は自動的に決まります。
STEP22台目に分散する:現場で測れば移動も待ちも消える
仕分けた「門型でなくてもよい測定」を、手軽な2台目へ移します。ポイントは、単に台数を増やすのではなく測定の場所を変えることです。
測定室を必要としない卓上型 自動三次元測定機「AM-1000シリーズ」なら、門型の約1/5の卓上サイズで、検査室ではなく製造現場や事務所の一角に置けます。測定室への搬送や順番待ちがまとめて消えるため、1件あたりのリードタイムは大きく短くなります。
加工機からワークを降ろさずに測りたい場合は、持ち運べるハンディプローブ三次元測定機「XMシリーズ」による機上測定も選択肢になります。
門型は「門型にしかできない測定」に専念させる。これが2台目戦略の本質です。
STEP3繰り返し測定を自動化する:「人が空く」が最大の効果
同一品の繰り返し検査が多い現場では、分散よりも自動化が効きます。
従来の門型でも自動測定はできますが、それはワークを治具で固定し、正確に位置決めすることが前提でした。この治具の用意と位置決めの作業自体に専門性が必要で、品種が増えるほど負担も大きくなります。
卓上型 自動三次元測定機「AM-1000シリーズ」は、内蔵の3Dプロファイラがワークの形状・位置・向きを自動認識します。治具も位置決めも不要で、ステージに置いてボタンを押すだけで、誰でも自動測定を走らせられます。
自動化の最大の効果は速度ではなく、測定の間、検査員の手が完全に空くことです。人の制約(要因②)が外れるため、渋滞の根本原因が解消します。
効果の試算:測定待ちはいくらの損失か
対策の投資判断には、現状の損失を金額にするのが早道です。次の式に自社の実数を当てはめてください。
- 待ち時間の人件費 = 待ち・搬送・段取りに使う1日の合計時間 × 稼働日数 × 人件費単価
- 出荷遅延の機会損失 = 測定待ちで納期回答が遅れた案件数 × 案件への影響額
- 残業・休日測定 = 渋滞のしわ寄せを検査員の残業で吸収しているなら、その割増分
この年間損失と、2台目・自動化の導入費を並べれば、回収期間はその場で計算できます。外部の相場ではなく自社の実数で計算するため、社内での説明でも根拠を問われません。
卓上型 自動三次元測定機 AM-1000シリーズ
測定待ちの解消は、仕分けから始めて、分散と自動化で仕上げる。
測定待ち渋滞解決のカギとなるAM-1000シリーズのカタログをご覧ください。

繰り返し測定の
自動化・検査員の省人化
-
2台目分散なら
ハンディプローブ三次元測定機 XM シリーズ カタログ -
大型ワークの測定なら
ワイドエリア三次元測定機 WM-7000 シリーズ カタログ
このページのまとめQ&A
Q. 三次元測定機の測定待ちはなぜ起きるのですか?
A. ワーク増加・使える人の不足・1件あたりの測定時間という3要因で、検査需要が門型の処理能力を超えるためです。
Q. 2台目はどんな機種を選べばよいですか?
A. 仕分けた「門型でなくてもよい測定」の内容次第です。現場で手軽に測るならポータブル型のXMシリーズ、繰り返し検査が多いなら卓上型 自動三次元測定機のAM-1000シリーズが適します。
Q. 門型を増設するのはだめですか?
A. 選択肢の一つですが、測定室の拡張と専任者の増員が伴い、投資が最も大きくなります。まず仕分けで「門型が本当に必要な量」を確認するのが安全です。
Q. 効果はどう測ればよいですか?
A.「測定1件の依頼〜結果返却のリードタイム」と「検査員の待ち・搬送時間」を導入前後で比較するのが簡単で説得力があります。




